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RBSセミナー・シンポジウム等

第2回 経営管理専攻 新展開記念シンポジウム ビジネスを創造する企業経営とリーダー人材の輩出

日時
2023年11月5日(日) 13:30~16:30
会場
立命館大阪梅田キャンパス(大阪富国生命ビル5階)+オンライン(Zoom)同時配信
講演者/パネリスト

桑津 浩太郎氏

株式会社野村総合研究所 コンサルティング事業本部副本部長、研究理事

講演者/パネリスト

河瀬 誠氏

MK&Associates 代表

パネリスト

水野 由香里教授

立命館大学大学院経営管理研究科

コーディネーター
立命館大学大学院経営管理研究科研究科長 
肥塚 浩教授

レポート

RBSの経営管理専攻新展開記念シンポジウムの第2回目は、「ビジネスを創造する企業経営とリーダー人材の輩出」と題して、11月5日に立命館大阪梅田キャンパスを会場に、オンライン同時配信で実施しました。

AIやDXが一般化し、事業環境が大きく変化しているタイミングで、ビジネスリーダーはそれをどのように捉え、企業経営に活かしていくのか、そして、未来を創造するビジネスリーダーはどうあるべきか、について議論を深めました。

まず、桑津浩太郎氏(株式会社 野村総合研究所コンサルティング事業本部副本部長、研究理事)には、「人手不足2.0時代のAIによるビジネスモデル変革―新たなDXの萌芽―」というタイトルでご講演をいただきました。インフレによる人件費高騰、そして、人口高齢化による人手不足が大きな社会課題になっている状況において、既存の業務をAIやDXというデジタル化に置き換えて経営効率を高めることが不可避になってきました。このような社会課題を解決することは、実は、企業にとって逆にビジネスチャンスであるという発想が必要であるというご指摘をいただきました。一度、IT投資に失敗したという日本企業も少なくありません。しかし、桑津氏は「生成AIはAIの民主化である」と強調します。デジタルツールは、自社で一から開発する必要はなく、既に存在している技術だからです。そのため、これらのデジタルツールを使いこなすことができるのかどうか、これがこれからの企業競争力の分水嶺になるとのご指摘をいただきました。

次に、河瀬誠氏(MK&Associates代表)には、「未来創造を進めるリーダーに求められる力:妄想力・構想力・実装力」というタイトルでご講演をいただきました。河瀬氏の主張は、「今の事業環境に合致した戦略を策定する」ことでの企業の存続は簡単なことではなく、これからの時代は、「未来を読む」ことが求められるという点にありました。事業を動かす仕組みがデジタルに変わり、事業の機械化は今後、ますます進んでいき、このような時代に求められるのは、新しいビジネスを作り出す発想力であるとのことでした。それは、「バックキャストの視点で来るべき15年先の未来から引き算して考え、答えを導出する能力」を醸成することによって可能となり、そのために必要なのが「未来を妄想する力」と、「未来を構想する力」、「未来を実装する力」であるといいます。これらの力を備えた未来を創造するリーダーの条件についても、深い洞察をいただきました。

ご講演をいただいたお二人と、水野由香里(経営管理研究科教授)をパネリストに加え、肥塚浩(経営管理研究科教授・経営管理研究科研究科長)をコーディネーターとしてパネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションでは、未来を創造するリーダーの育成とリーダーシップを発揮するための要諦や、AIやDXなどのデジタル化に対応して企業・社会の生産性を向上させるための手がかり、未来を創造して日本企業の競争力を再び向上させるための秘訣、などについての議論を深めていきました。参加者からの質疑応答も活発に行われ、多くの参加者にとって、実り多き時間となったに違いありません。

立命館大学ビジネススクールでは「未来を切り拓く次世代のビジネスリーダーを育成すること」をミッションとして掲げています。今回のシンポジウムを通して、RBSが担っている社会的責任の大きさを実感するとともに、そのような時代の要請に応えていくビジネススクールの役割の重要性を改めて認識する機会となりました。