ゲストスピーカー
2024.12.22
観光業界での市場情報の活用について
神山 裕之
北海道大学 メディア・コミュニケーション研究院 教授
- 講義
- マーケティングリサーチ(TMP)
- 担当教員
- 鳥山 正博 教授
神山氏はニールセン・野村総合研究所でキャリアを積んだのち、国土交通省観光庁観光企画調整官として観光経済・観光統計を担当し特に観光統計の整備とその分析に取り組み観光庁の観光統計関連委員会委員等、行政や国際機関における委員等を歴任するなど経験豊富な観光統計のプロである。以下に講義の要約を示す。
観光業界における市場情報は、供給者側と需要者側の情報に分けられ、統計データやビッグデータなどの定量・定性情報が活用される。これらの情報は無料・有料で提供されており、多様な種類が存在するが、限界を踏まえた利活用が求められる。まず注目すべきはオープン・データであり、公的統計として「観光統計」が代表的な例である。地域経済分析システム(RESAS)は地方創生を支援するツールで、経済産業省と内閣官房が提供している。また、「モバイル空間統計」は携帯電話の位置情報を活用した観光ビッグデータで、観光客の属性分析やインバウンドの動向把握に役立つ。近年、需要者と供給者の情報がインタラクティブ化し、購買機能と連携する傾向が強まっている。観光マーケティングでは、カスタマージャーニーに基づく施策が重要であり、利用履歴や検索履歴の分析が観光行動の理解に寄与する。さらに、統計データが不足する場合には、一定の仮定に基づくフェルミ推定が観光分野で有効に活用される。
- 経営管理専攻
- 観光マネジメント専攻
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