2024.01.31
橋本正明経営管理研究科教授の「定年退職記念講義」を開催しました

1月20日(土)15:30より、大阪いばらきキャンパス(OIC)カンファレンスホールにて、橋本正明教授の定年退職記念講義が開催されました。橋本先生は、2017年4月に教授としてご着任され、7年にわたり主にファイナンス分野の授業を担当されました。また2020年4月から4年にわたり、入試担当の副研究科長としてRBSの発展にご尽力いただきました。当日は、牧田正裕経営管理研究科副研究科長の司会のもと、井ノ上大輔 校友会RIMO会長による挨拶につづいて、肥塚浩経営管理研究科長より感謝の言葉と先生のご略歴の紹介がありました。



橋本先生の講義は「資本コストと成長性を踏まえた企業経営の動向」というテーマで行われ、コーポレートガバナンス・コード等により、資本コストと資本収益性を十分に認識した企業経営が求められているなか、上場会社は社会の期待に応えているのかを問うものとなりました。
講義ではまず、2023年3月末時点で東証プライム市場の約半数、スタンダード市場の約6割の上場会社においてROE(自己資本利益率)が8%未満、PBR(株価純資産倍率)が1倍割れであるという状況を受け、東証が上場会社にPBRの改善に向けて異例の要請を行なったことに言及した上で、ROEや資本コスト、さらには企業価値評価モデルなど企業価値評価に関する諸概念について解説がなされました。PBRはROEと株主資本コスト、当期純利益の成長率を改善することにより高めることができますが、そのために企業が何に取り組まなければならないのかについても言及がありました。さらに、上場会社のPBRが東証の要請に応える形で改善傾向にあることも示されました。
市場が上場会社によるPBRの改善に向けた取り組み状況を判断する上で、ROEや資本コスト、利益成長率に関する十分な開示が求められますが、最後にこれらの開示状況について検討が行われ、時価総額水準別、業種別で見た場合、開示状況には興味深い相違があることが示されました。このように講義は、貯蓄から投資へのシフトが主張されるなか、上場会社には積極的な情報開示を含めて、より一層の取り組みの強化が求められていることを示唆するものでした。

講義終了後、教員、院生、修了生より花束贈呈があり、華やいだ雰囲気のなか、盛況のうちに終了しました。
今回より退職記念講義は研究科と校友会RIMOの共催として開催されることになり、会場には、RBS教員や現役の院生のほか、多くの修了生も出席しました。今後も退職記念講義が今回と同様、退職される先生に感謝の気持ちをお伝えするだけでなく、現役生と修了生等が交流する機会としても定着していくことが期待されています。 なお、橋本先生には2024年度以降、特別任用教授として授業を担当されるなど、引き続きRBSの発展にご協力いただくことが予定されています。
