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第34回全日本学生将棋学生十傑戦(個人戦) 優勝

大会4連覇を賭けて挑んだ団体戦で惜しくも敗退。「もし団体戦で優勝していたら個人戦では優勝できなかったでしょうね」と語る鈴木さん。将棋は気力・体力をともに使う競技。団体戦では1日三局の試合を行い、競技者は9時から6時まで座りっぱなしで将棋を指すことになる。団体戦の悔しさを個人戦の優勝という形で晴らした鈴木さんの将棋に対する姿勢と彼の今後に迫った。

大学に入って環境が変わった

小さい頃に将棋に出会い、道場に通っていましたが、大会に出るようになってから本格的に将棋に取り組むようになりました。将棋は、指し手の本質が見える、言い換えれば、その人自身の性格や内面が反映される競技です。また、力んだり勝とうと思って勝てるものではなく、その時の運で試合の運びも変わるなど奥が深く、それらに興味を持ちました。大学に入ってからは、地元では出会えなかったアマチュア全国タイトルをもっている人や強い先輩と対局でき、部員との合宿や団体で試合に臨んだりすることの楽しさ、皆で勝ったときの充実感を知ることができました。

また、大学に入るまでは自分の将棋のスタイルは「受身」だったのですが、もっと「攻め」の姿勢を取り入れてバランスを取るべきだとアドバイスをもらい、トップの人の研究をしたり実践で試してみたりしました。大学で周りの人から影響を受けたことが自分の将棋の成長に繋がったのだと思います。

6ヶ月のブランク

昨年は、6ヶ月、法科大学院入試の準備のために将棋をしない時期がありました。将棋をしない時期が続くと、試合で手が動かなくなったり、頭が働かなくなってしまいます。このブランクを埋めるために12月の大会までの期間1日中将棋をしていたこともあります。学業のほかに法科大学院の予備校に通いつつ、教育実習の準備をしたりと、本当に忙しく、その中で将棋の時間を作るのは大変でした。しかし、1年間で一番重要な12月の大会で団体戦4連覇するために必死で練習をしていました。

団体戦の敗退は本当にショックで、泣いている部員もいました。出場した以上、自分にも負けた原因があります。このとき、「個人戦で優勝して挽回しよう」と心に誓いました。非常に稀なことなのですが、個人戦決勝戦は、立命館同士の対戦となり、どちらが勝っても立命館の優勝が決まっていたので、いい試合をすることに集中しました。たとえ負けたとしてもその努力を賞賛できるほど相手が1年間頑張ってきていたのを自分は見ていたので、勝負の結果にはあまりこだわりませんでした。

将棋から私が得たもの

将棋の大会は、多くが日曜に行われ、秋になると毎週のように試合がありました。平日は授業後の練習、土曜は試合に向けての練習があります。他のことが忙しくなるとONとOFFの切り替えにメリハリをつけることを意識し、大会前は自分なりにやることを決めておいて1日1日試合に向けてこなすようにしていました。

また、3回生の時に、主将になったのですが、30人以上いる部員をどうまとめていくのか。また、団体戦に出場できるのは7人だけなのですが、主将として、その7人になるかならないかの準レギュラーへの技術面・精神面の気配りも必要とされ、それらの経験から多くのことを学びました。

常に自分を更新する

よく思うことは「去年の自分と戦ったらどうか」ということです。将棋はいつどこで、その人の実力が伸びるのかが分からない競技なので、常に自分は自己ベストを更新していきたいと思っていました。自分にとって将棋とは自己表現の一部です。

後輩の皆さんには、今しかできないことをしてほしいです。その活動の中での経験は一生の財産になり、様々な助けになるはずです。私の場合、大会までの計画的な生活サイクルを作ることが、大学院入試までの学習計画にも活かされています。

これから、法科大学院に進み、法律を勉強する予定なので、将棋の世界からは一旦離れることになりますが、ゆくゆくは復帰して、アマチュア大会でタイトルを狙いたいと思っています。

取材・文学生広報スタッフ 高橋健太(経営学部4回生)

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