"Stop and smell the roses"
先日の皆既月食、みなさんはどのように過ごされましたか。
立命館小学校では、サイエンスクラブのメンバーが全校に向けて積極的にお知らせをしてくれたので、興味をもった児童も多かったのではないかと思います。
これらのポスターに促され、私も「見逃さないぞ!」という気持ちで、夜8時ごろスタンバイしていましたが、残念ながら自分の目で直接見ることは叶いませんでした。そのかわり、暗い部屋でスマホの画面でYouTubeのライブ配信を見ました。月の様子をじーっと見ていると、頭と心が落ち着いて、豊かな瞑想の時間となりました。きっかけをくれたサイエンスクラブに感謝。
ところで、小学校の仕事をするようになってから、児童たちのおかげで、これまでは見えていなかったものが見えるようになってきたように感じます。それは、「はい、あげる」と、ポンと手のひらに乗せられたてんとう虫の細かな動きであったり、キャベツの葉の裏側についてるイモ虫だったり、壁のタイルの隙間についている蝶々のさなぎであったり、毎日姿を変えるアンネのバラの様子だったり。子どもたちが興味をもって見つめている自然物のいろいろ、本当に面白そうなので、つい気持ちが誘われます。
そういえば、私は大学の研究室の扉に「Stop and smell the roses」という言葉のポストカードを長年貼っていたのでした。どんなに忙しくても「立ち止まって薔薇の香りを楽しむ」ようにしようと、この言葉を視野に入れるようにしてきましたが、小学生のおかげでやっとそれができるようになったのかもしれません。天体も含めて、自然物に視線を向けられる心のゆとりをもって過ごしていきたいなと、あらためて思いました。
校長 堀江未来