立命館小学校

世界と仲良く

少し前のことになりますが、今年のワールド・ウィーク(WW)、3年ぶりに対面で行うことができました。

例年は、立命館アジア太平洋大学(APU)の国際学生のみなさんを別府から招聘していましたが、過去2回のオンライン開催を経て、今回はどうしても対面でやりきりたいという思いがあり、近くに住む立命館大学の国際学生の協力を得ることで、遠距離移動に伴うキャンセルリスクを回避しました。(今回APUの国際学生のみなさんとお会いできなかったことは残念ですが、また別企画で交流を深めたいと思っています。)

立命館大学の国際学生に呼びかけたところ、たくさんの意欲的な申し込みがありました。その結果、今回は、15カ国(韓国・中国・ベトナム・インドネシア・シンガポール・インド・スリランカ・パキスタン・バーレーン・ウクライナ・ロシア・ドイツ・ノルウェー・イギリス・ジンバブエ)20名の方にお願いすることにしました。そしてWW担当教員がこれらメンバーと事前の準備ミーティングを丁寧に重ねていきました。
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ところで、ある児童との間で印象的なやりとりがありましたので紹介します。登校時、校門のところである児童が話しかけてきました。
「今回のWWにウクライナとロシアの先生が来るからいろいろ考えてるんだけど、以下の3択からどれがいいか教えてください。
① どちらか片方と仲良くする
②どちらとも仲良くする
③どちらとも仲良くしない どれですか」
私の答えは即答で「②どちらとも仲良くする」。そして、それを聞いた児童は、「あー、よかった!そう言ってくれると思った!」と。そう、間違いなく、「どちらの人とも仲良く」が正解です。

今回のWWに先立って、前日の始業式で、私は二つのことを児童に伝えていました。一つは、いろいろな国の人と出会って交流するとき、相手がどこの国の人であっても、自分と同じようにいろいろなことに喜びや悲しみを感じながら生きている人であることを忘れずに、相手に対する敬意をもって接しましょうということ。もう一つは、WWのような国際交流を通じて、国を超えて人と人が出会うことは、平和を実現するためにすごく基本的で、大切なことだということ。先の児童は、これらのことを踏まえつつ、悩んでくれていたんだなあと思います。

そしてWWの4日間、1年生から6年生まで、英語やその他の外国語を使って、ぞれぞれの学年に合わせた形でいろいろな取り組みを行いました。詳細はラーニング・トピックスでも紹介していますが、以下、一部ご紹介します。

各国のご飯について紹介してもらったり。
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ちょっと上の学年では、各国と日本の朝ご飯を細かく比較してみたり。
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さらに高学年では、グループでのディスカッションに入ってもらったり。
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そして、たくさん遊んでもらいました。
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WW終了時、国際学生に集まってもらって、最後の振り返りをしました。そこでは「子どもたちはとてもエネルギッシュでフレンドリーで、最高の交流ができた。そして、いつも子どもたちから、自分達に対するリスペクトを感じることができた」「日本に来てから一番楽しい経験だった」など、とても前向きなコメントをたくさんもらいました。

このイベント、立命館小学校の子どもたちにとって大きな刺激になったことは間違いないのですが、今回の発見は、このイベントへの関わりが国際学生たちにとっても非常に教育的に意味があったということ。大学ではオンライン授業の期間が長かったこともあり、交流行事も制限されていることから、せっかく日本に留学してきてもなかなか人と出会う機会がありませんでした。私は長年日本で学ぶ留学生の教育に携わっていたこともあり、その立場からも、彼らが児童と楽しそうに活動する姿を見て本当に嬉しかったです。

ウィズ・コロナ時代の国際交流、さらに充実させていきたいです。


校長 堀江未来