立命館小学校

海外からのお客さま

少し前の話ですが、さかのぼってご紹介したいと思います。

立命館小学校では、コロナ禍前は、頻繁に海外からのお客さんをお迎えしていました。交流校となっている海外の小学校から児童のグループを受け入れたり、交流の協議をするための教職員を受け入れたり、海外からの学校見学の依頼もよくありました。コロナ禍の影響でしばらくそういったことができず、大変残念な時期を過ごしました。が、今年度は少しずつ海外からのお客さんの受け入れを再開できています!

まずは、カナダのUniversity of British Colombia(UBC)から、2名の教育実習生を3週間受け入れました。UBCでは、教員免許を取得するために、地元の学校での10週間にわたる教育実習のほか、いろいろな場所で経験の幅を広げるための取り組み(Community FIeld Experience)に3週間参加しなければならないのだそうです。このお二人は、その選択肢として日本の立命館小学校での教育実習に挑戦したのでした。
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全く知らない土地で、必ずしもいつも英語が通じる訳ではない環境で、異なる学校制度の中で過ごす3週間、しかも本校児童の家庭でのホームステイをしながら児童と一緒に毎日学校に通う経験は、決して楽ではないけど「一生忘れられない、一生価値を持ち続けるであろう学びの経験だった」そうです。カナダでの9月からの勤務校が決まったとのこと。これから始まる教員人生も応援していきたいです。

そして、また別の日、台湾の志清小学校から、子どもたちの来訪がありました。約2時間弱という短い時間でしたが、京都と台湾のことをお互いに紹介したり、中国語での自己紹介に挑戦したりしました。
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最後のお別れ会では、6年生児童の見事な英語と中国語での司会とあいさつ。そして何よりも、歌やパフォーマンスにみんなで大きな拍手を送ったり、お客さんが少しでもリラックスできるように考えて振る舞ったりできたことは、きっと次につながる経験になったと思います。

ところで、少し専門的な観点から。国際教育研究では、Internationalization Abroad(海外に出ていく国際化)とInternationalization at Home(内なる国際化)のどちらも充実させ、相乗効果をあげられる形をとることが望ましいとされています。海外に出ていくプログラムは、自らが異文化環境に入るためにインパクトが強く、異文化感受性を高める上では効果的ですが、どうしても自ら手を上げた児童だけが対象となるので、数が限られます。一方で、内なる国際化は、全員が交流に参加することができます。異文化から来たお客さんがどんな心境になるか、どんなことを喜ぶか、どんなことに困るのか、子どもたち自身がそういうことを想像しながら、ホスピタリティを発揮して交流の質を高めようとする意志をもつことができれば、他者の立場に対する想像力が鍛えられる良い機会になります。またそのことが、いつか自分も異文化に飛び出してみようという気持ちにつながります。

立命館小学校でのInternationalization AbroadとInternationalization at Homeがフル回転になる日はまだ先になりますが、少しずつ可能なところから取り組みを再開しつつ、量を戻すだけではなく、より教育的効果をあげられる形に整えていきたいと思います。

校長 堀江未来