立命館小学校

新しい学校のコンセプト

この度、立命館小学校のHPに新しい学校のコンセプトを紹介する特設ページ「立命館小学校コンセプトサイト」ができました。
 
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https://www.ritsumei.ac.jp/primary/
 
立命館小学校では、この3年をかけて、これからの私たちのあるべき姿について議論を重ねてきました。きっかけは、2019年に始まった立命館学園R2030チャレンジ・デザインです。これは、2030年の社会を展望しながら、その時にこうありたい学校像を描き、バックキャストで長期的に学校改革をしていこうという学園全体の取り組みです。その流れをきっかけに、立命館小学校でも2030年にこうありたい私たちの姿を考えはじめ、2021年度から本格的に、学校全体で意見を出し合い、対話を重ねてきました。
 
ところで、「意見を出し合う」「対話を重ねる」というのは、言うのは簡単ですが、行うことはそれほど簡単なことではありません。立場を超えて自由に意見を言い合えるというのは、お互いに心から安心でき、信頼できる関係性がなければ難しいことです。決まったことをみんなで進めていくために必要なコミュニケーションと、すでにあるものを変えていくためのコミュニケーションは質が異なるので、まずはその二つのモードに、どの立場の先生方にも安心して参加してもらえるような場づくりが必要でした。ですので、まずは学校全体で「心理的安全性を高める」という方向性を明確にするところから始めました。
 
そして、全ての教職員がそれぞれの立場から感じることを出発点としながら、立命館小学校の強みや課題を洗い出し、日頃の児童の姿、社会の変化や最新の教育動向などもうけとめながら、他校視察を重ね、多様な専門家の力を借り、議論を重ねました。また、昨年は、本校教職員だけでなく、保護者や卒業生のみなさん、立命館中高教員からも意見を集めながら、最終的なコンセプトのまとめを行いました。
 
その結果、私たちが目指したいと思う学校像は、「世界を変えていく人が育つラーニング・コミュニティ:子どもと大人が共に挑戦をたのしみ、変化・成長し続ける学校」ということになりました。こちらに、コンセプトブックの一部を紹介します。
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このコンセプトでは、学校は子どもだけが育つ場所とするのではなく、まわりの大人、つまり教職員も保護者も、ともに成長していく存在ととらえています。子どもたちに、大人も失敗を恐れずに新しいことに挑戦する姿を、さまざまな困難を乗り越えていく姿を見せていきたい。そうやって子どもも大人もお互いの成長を応援し合うことを通して、立命館小学校に関わる全ての人が学びと成長を楽しめる場所でありたいと考えています。
 
また、子どもたちが立命館小学校での教育を通して獲得していくコンピテンシーとして、「発見・創造・対話・協働・挑戦」の5つを示しました。この5つを身につけることで、小学校卒業後に長く続く学びのプロセスを、自立した学習者として、主体的に創り上げていくことができると考えます。そうやって、変化の激しいグローバル社会においても、自分の道をしっかり切り拓いていくことができると信じています。
 
最終的にまとめたコンセプトはシンプルなものですが、この言葉の一つひとつの見えないところには、いろいろな人の想いや考え方が込められています。そして何よりも、このコンセプトは誰かの思いつきではなく、立命館小学校にかかわる多様な人が対話を繰り返して作り上げた成果物であることに大きな意味があると考えています。
 
このコンセプトは、これからの学校づくりの出発点に過ぎません。立命館小学校がさらなる「対話と協働」を通じてこれからどんな学校に成長していくのか、引き続き見守っていただけたら幸いです。
 

校長 堀江未来