KONO Masanori
専門は実験的行動分析、および学習心理学です。主にデンショバトを実験対象とした実験を行ってきました。
オペラント箱と呼ばれる装置があり、そこにハトを入れて行動を観察します。この箱では、ハトが反応キーと呼ばれる箇所をくちばしでつつくと、フィーダーと呼ばれる機械により餌が提示されます。このオペラント箱を使用して、強化スケジュールと呼ばれる、餌を提示する条件(例えば反応キーを30回つつくと餌が提示される、あるいは15秒まってからつつくと餌が提示されるなど)を変えるとハトの行動がどのように変化するのかを研究しています。
強化スケジュールは私たち人間を取り巻く生活環境の至るところに潜んでいます。私の研究は、オペラント箱の中のハトの行動を通じて、様々な環境下での人間や様々な動物の行動原理を探るものと言えます。
今思い返すと、勉学よりも遊びの方に重きをおいた大学生活だったように思います。同じ学科の友人たちと作ったチームで、週に2、3回の頻度でフットサルをやっていました。大学が都心にあったこともあり、授業が終わったら買い物に行ったり映画館や博物館などに行ったりすることもありました。授業には真面目に出席していましたし、レポートなども必ず期限内に提出したりしていたのですが、もう少し勉強の方にも力を入れておけばよかったかなと思います。このようにやり残したことやちょっとした後悔はありますが、概ね充実した大学生活でした。
もともと臨床心理士を目指して大学に入学したのですが、 臨床心理学に関連する授業をいくつか受けてはみたものの、自分にとって「しっくりくる」感じがしませんでした。おそらく自分には臨床心理士は無理だろうなという実感がありました。そんな中、2年生のときに受講した「学習心理学」の講義(おすすめの書籍「行動の基礎」の著者である小野浩一先生が教鞭をとっていました)の中で、環境を厳密に操作し生物がどのように振る舞うかということを扱った興味深い実験的研究がいくつも紹介され、心理学にはこんなにおもしろい分野があるのかと興奮したことを覚えています。その後、この分野についてもう少し詳しく知りたいと思って大学院に進学し、気がついたら毎日大学に来て実験をやるような生活を過ごすようになっていました。
高校というと、そろそろ自分の将来も考えはじめ、
それにあった大学や進路を選択し、
自分の今後の道筋を絞り始める時期かもしれません。
そのために、他のことを断念してでもある一つのことに
専念するべきといった考えに陥りがちです。
そのような「一意専心」も大事ですが、
一歩引いて少し大きな視点で自分の色々な可能性を
考えてみるのも良いことだと思います。
そして大学に来たら思うように動き回ってください。
自分の将来の選択肢を広げるために、色々なことを経験してみてください。
それらが新しい自分の可能性に繋がっていくかもしれません。