MITAMURA Takashi
「どうすれば人はより豊かな人生を送れるか?」について、行動科学の立場から答えを探ることをテーマにしています。
そのための方法論として「文脈的認知行動療法(たとえば、アクセプタンス&コミットメント・セラピー)」や「機能的アサーション(自他を尊重したコミュニケーション)」といった行動科学があります。
行動科学(行動分析学)とは、人間の行動を「予測しかつ影響を与える」ことを目的としたプラグマティックな学問です。行動分析学には、歴史的にも、そして現在でもしばしば表面的に理解され誤解を受けてきた経緯があります。しかし、人々を援助するための行動科学は着実に前進してきています。ご関心のある方は是非「お勧め書籍」をお読みください。
大学生の頃は、大学の講義を受ける以外にサークルやアルバイトをしながら過ごしました。自分自身の愉しみとしてカウンセリングや心理学の本を読んだりもしていました。
「アサーション」という自分も相手も大切にするコミュニケーションに関心をもって、卒業論文はアサーションと対人不安について書きました。その後、アルバイトで貯めたお金を使って大学院に進み、修士論文と博士論文もアサーションについて研究しました。
大学生活で有りがたかったことは、大学の図書館や設備が充実していたことです。何かを調べようと思った時にその資料にアクセスできることはとても重要です(立命館大学の魅力のひとつも大変充実した図書館があり、多くの学術雑誌にアクセス可能なことが挙げられます)。また、私にとっては共に学ぶ仲間がいたこともとても貴重でした。学外の研究会にも積極的に参加することで、さまざまな刺激を得ることができました。
元々カウンセリングや心理療法に関心がありました。なかでも「科学」という人類が積み上げて来た知恵をいかにして目の前の困っている人のために活用できるかに関心がありました(もちろん、目の前の人が助かるのなら「科学」である必要はないかもしれませんが、この辺りの議論は講義で触れます)。
そういった関心から見て、「認知行動療法」という心理療法は実証的なデータの蓄積の上に成り立っている心理療法であったため、私の関心にとても合っていました。実際、伝統的に認知行動療法が備えている「特定の症状を特定の方法で治す」という発想はとても分かりやすいものでした。また認知行動療法はさまざまな問題に対し実際に効果を持つことが膨大な実証研究から明らかにされています。
その一方で、私には、伝統的な認知行動療法が「人が生きていくことの意味」といった抽象的なテーマについてまでは応えてくれないことに不満もありました。
伝統的な認知行動療法自体の課題としても、さまざまな理論が次々提唱され技法も複雑化していく一方、それらをどう束ねていくかという科学と実践の方向づけが十分なされていないこともありました(これは科学哲学の整理が不十分だったという意味です)。
最終的に私が出会ったのが「新世代の認知行動療法」「第3世代の行動療法」などとも呼ばれる「文脈的認知行動療法」という新しいタイプの認知行動療法でした。
大学では、自分自身で考えて選択するという
各自の主体性がとても重要になります。
「どの科目を受講するのか?」「アルバイトはいつどのくらいするのか?」
「どのサークルにどれくらい参加するのか?」
これらすべてを自分自身で決める自由と責任があります。
勉強の仕方についても「これはなぜだろう?」という意識を常にもって、
単に“教えてもらう”のではなく、主体的に“学び取っていく”姿勢が大切です。
また将来、カウンセラーを目指す方は、
自分自身の抱える課題とも向き合っていく必要があります。
「人を助けたい」という想いだけではプロフェッショナルにはなれません。
研究者を目指す方は、苦しくても挑み続けられるくらい
刺激的な研究テーマを探していくことになるでしょう。
就職を希望される方や進路を探していきたい方も含め、
皆さんのスキル習得のための教育プログラムや必要な資料、
人的資源はすべて総合心理学部に用意されています。