NAKANO Osamu
専門は臨床心理学で、以下の研究を行っています。
1.芸術療法(絵本、音楽、描画)を活用した、人と人との「つながり」の研究
2.教育現場におけるLGBTQ+に関する研究
3.大学生の主観的適応感と性格などの個人要因との関連
あれこれやっている感じですが、今後は各研究が融合した内容の研究を行っていきたいと考えています。
研究のメインである芸術療法とは、クライエントと絵本を読み合ったり、音楽活動をしたり、絵を描いたりという芸術活動を行いながら、こころを癒していく方法です。そこで生まれる、「つながり」という、人と人との安心感を伴う相互作用的な関係性に関心をもっています。
ことばではないもの(仕草や表情、描かれた絵など)は、時にことばよりも語ることがあります。そして、こころは見えないものですが、必ず一人ひとりにあるものです。だからこそ、探求することが楽しいのだと思います。
大学生のときは、芸術療法の一つである音楽療法を専攻していました。専門的な知識を学んだり、音楽療法実習やボランティア活動、アルバイトなど大変でしたが、充実していました。クライエントと一緒に音楽活動をして、こころを通わせることには楽しさだけでなく、迷いや悩みもありました。ですが、とても楽しい4年間でした。中学、高校生のときとは違い、自由に時間を使えることがよかったです。週末は友達と全力で遊びまくっていましたが、振り返ると、意外に真面目に学生をしてたんだなぁと思います。
絵本を活用した研究を始めたのは、修士課程在学中に増田梨花先生と出会ったことがきっかけです。もともと絵本は好きでしたし、音楽療法を学んでいたこともあり、増田先生の研究テーマである「絵本や音楽を活用した臨床心理学的介入」というものに強く惹かれました。
はじめは、自分が大学の心理学の先生になるとは全く思っていませんでした。そして学校ぎらいだった自分が、小学校から大学院まで21年間も学校に通ったということにも驚いています。大学院で研究に取り組んで「研究って楽しいんだな」と感じたことが、今につながっています。
大学は自由で、とても楽しいところです。社会人になるまでの4年間、やりたいことをやり、満足するまで楽しみましょう。
そして、良いことや楽しいことは人が運んできてくれることが多いです。ですから、たくさんの人と出会い、コミュニケーションをとって、いろいろな価値観に触れてください。目の前の人にきちんと向き合い、じっくりこころを通わせる経験を積んでほしいと願っています。