OKAMOTO Naoko
臨床心理学の実践である心理療法は、何らかの問題を抱えて来談するクライエントの問題解決のお手伝いをする営みです。通常の心理療法ではクライエントの問題解決に長い時間と費用を要することが多いです。
私が研究中のTFT(Thought Field Therapy:思考場療法)は、経路のツボを叩くことでエネルギーシステムを整え、クライエントを苦痛から解放します。手順はシンプルで即効性があります。また、言語による複雑な教示が不要で、1度手順を理解すればクライエントが自分で行うことも可能です。
これらの理由から、緊急時の支援や、災害時の人道支援など、急を要する支援や1回しか関わることが難しい対象者への支援に役立っています。私はTFTの実践や、一般向け・専門家向けトレーニングの実践、そして、TFTの効果検証に関する研究を行っています。
学部時代は、本当によく学びよく遊びました。皆が「我が道を行く」という感じの大学でしたので、誰かに合わせるというのではなく自分の価値観をしっかりもって行動することが日々求められていたなと思います。
クオーター制だったので同じ科目の授業が週2回あり、2日後の授業までに本(英文)を1冊読んでまとめる等の課題がしょっちゅうありました。サークルを頑張っていてアルバイトもしていたので、時間のやりくりが大変で、泣きながら勉強したこともありました。ウイークデーは勉強三昧でしたが、週末は友達グループで遠出やパーティを楽しむなど、メリハリがあったと思います。3回生の時は交換留学生として1年間カリフォルニア大学で学びました。
あれほど一生懸命勉強した内容はほとんど忘れてしまいましたが、頑張る姿勢や学ぶ楽しさ、出会った人々の数々の思い出は今も私の中にあり、いつも私を支えてくれています。
大学学部時代は、前向きにしっかり頑張っていれば道は開けると思っていたので、カウンセリングや心のケアには興味がありませんでした。当時の私は親、仲間、環境に恵まれすぎていて、人には頑張ろうにもどうにもならないものがあることに気づいていなかったのです。大学を卒業したらお金を貯めてアメリカの大学院に行って言語学を学び、日本語教師を世界各国でやりながら面白おかしく生きようと思っていました。
留学資金を貯める目的で外資系の会社に就職し、人事部に配属されたのが転機でした。成果、数字、そういったものの大切さを認識するとともに、心にまつわる事柄の難しさや大切さを痛感するようになりました。働きながら放送大学で心理学を学ぶうち、臨床心理士を志すようになり、大学院受験のために退職しました。合格する前に仕事をやめるなんてハイリスク、今から考えると恐ろしいので誰にもお勧めしません。
大学は、これまで以上に広い世界を皆さんに提供してくれる場です。
それは、たくさんの仲間との出会いという横の広がりでもあり、
自分自身を掘り下げるという縦の広がりでもあります。
総合心理学部での4年間を通して、皆さんの世界が広がることを願っています。