YASUDA Yuko
「生殖から始まるライフサイクルにおける、危機と回復に関する質的アプローチによる研究」を行っています。子どもを望むも自然には授からなかった女性の経験と選択を、治療を終えた後を含めて捉える研究に、主として取り組んできました。
ナラティヴ・アプローチという、語りに焦点をあてて人生の物語(ライフストーリー)を捉える質的研究の手法を用いています。あわせて、人間の発達や人生の径路の複線的で多様なありようを、社会や文化の影響を含めて時間経過のなかで捉える質的研究法「複線径路等至性アプローチ(TEA)」を開発する研究を、国内外の研究者や実践家と協働的に行ってきました。
他に、DV被害に遭った子どもと母親の支援者による地域援助に関する調査研究を、司法と臨床の連携の観点から実施しました。現在は、被害に遭った子どもを対象とした司法面接に、臨床心理学的知見がどのような貢献をなしうるか、という観点からの研究を開始しています。
大学に通い、授業には休まず出て、親友とともに過ごすという、地味かもしれませんが20歳前後のかけがえない時間をしっかりと満喫した、という言い方ができるかと思います。なんのことはない、普通の学生です。(笑)
家庭教師のアルバイトをしたり、親友たちと旅行に行ったり、短期で英国にホームステイをしたりという、大学生だからこそできることもしました。4週間の海外生活は、初めての国外で、かつ一人で出向くかたちであっただけに、とても緊張しましたし不安もありましたが、親の心配を押し切って決めたために不安な様子を見せられないと強がって、結局はさらなる心配をかけたいくつかのエピソードが懐かしく思い出されます。
学生時代は総じて、どのように心理学を学びどんなふうに生きていきたいのかを考えながら、少し勇気を出してやってみる、ということを積み重ねていたように思います。当時の経験は、大学での(心理学)教育の果たす役割について考えるうえでの背景のひとつになっています。
大学卒業後に就職し、社会人勤めをしていましたが、高校生3年生の頃に志した、臨床心理士になって援助に携わる職につきたい、という思いが次第に再燃してきました。大学では心理学を学ぶも、人の生に関わることへのおそれや不安、抱いていた心理学イメージへの戸惑いなどにより、大学院進学を選択肢のひとつとすることなく社会に出ました。
会社勤めは充実してもいましたが、私の人生これでOKですか?という、突き付けるような問いは常にあったように思います。勤務にもある程度慣れた頃、総務の部署に異動になって人に接することが増えた、ということも一因だったのでしょうが、自分はどのように生きていきたいのか、どんな私でありたいのか、という自らへの問いかけが熟した、ということが、臨床心理士を再び志望するうえで大きいことでした。
社会人4年目の年末に意志を固めて、年明けから、会社に勤めながら翌年度の大学院入試に向けた勉強を開始しました。
1. 新しい世界に、目を向け耳を傾け身体を差し向けましょう
2. おそれずにやってみましょう
3. うまくいかなくてもすぐには諦めずにいましょう
4. 仲間の良いところを見つけて伝えましょう
5. 大事なことをきちんと大事にしていきましょう
多くの人との出会いと支えあい、多様な挑戦と学びの経験とともに、
豊かに実っていくことがこれから沢山あるでしょう。
その過程では、困難に直面し、
それが大事なことや重要なことであればあるほどに、
身動きがとれなくなったりできなさに無力感を
突き付けられたりするかもしれません。
しかしそれは志高く物事に臨んでいるからこそ、ともいえます。
大事なことにしっかり向き合い続けていけば、
「こうなりたい」というその有り様に近づいていくのではないでしょうか。
自分にとって重要な分岐点を、あなたはどのようにつくっていけますか。