研究プロジェクト
「人の資本主義」研究プロジェクト
プロジェクトリーダー:中島 隆博

メンバーリスト
- リーダー
- 中島 隆博東京大学東洋文化研究所 所長・教授、立命館大学稲盛経営哲学研究センター 副研究センター長
- メンバー
- 小野塚 知二東京大学特命教授
- 広井 良典京都大学人と社会の未来研究院 教授・副院長
- 堀内 勉多摩大学大学院経営情報学研究科教授・多摩大学社会的投資研究所所長
- 丸山 俊一NHKエンタープライズ第1制作センター 文化部 エグゼクティブ・プロデューサー
- 安田 洋祐大阪大学大学院経済学研究科教授
- 宇野 重規東京大学社会科学研究所 教授
- 梶谷 懐神戸大学大学院経済学研究科 教授
- 山下 範久 立命館大学グローバル教養学部教授
研究プロジェクトの概要(目的・目標(成果))
「人の資本主義」とは、価格に転嫁される労働や消費とは異なる、価値としての人間が大きく問われる未来を構想し、暴走しかねない資本主義を人間に資するものに組み替えようとするプラットフォームとしての概念である。
稲盛哲学の創始者である稲盛和夫氏は、京セラ・KDDIを創業し、JALの再生を果たした世界的な経営者であり、利他の心を説く思想家である。稲盛哲学は、実践的であるとともに、深い精神性を持っている。稲盛哲学の哲学的探求を深め、「人の資本主義」という新しい概念で、現代資本主義の様相を描き出す。
この研究を通じて、利他の心が、利益追求による社会の活力と倫理性を両立する新しい文明のあり方及び資本主義の姿を示すとともに、それに至る道筋を描き出すものであることを確信し、人類文明・社会の恒久的発展と人間の尊厳の回復への方策を示す。
【ワークショップ全体テーマ】
新しい資本主義の哲学-モノからコト、そして人が価値となる資本主義へ-
- ①「人の資本主義」の様相
- 「人の資本主義」が世界情勢や政治・経済・人々の生活にどのようなインパクトを与えるのか描き出す。
- ②「人の資本主義」と人間
- 様々な格差が拡大する中で、人の尊厳を再考し、持続可能な安定した社会、尊厳の復活と社会の安定への道筋を探る。
- ③「人の資本主義」と国家・宗教
- 「人の資本主義」がもたらすグローバリゼーションの反動として、国家による反発や宗教的原理主義の蔓延の可能性がある。
これら既存の構造と「人の資本主義」との関係性を探る。
- ④「人の資本主義」と稲盛哲学
- 稲盛哲学は、人間の意味や価値を考え、人生の意義や人間の尊厳を取り戻すことへの示唆を与える。稲盛哲学を普遍化・一般化することで、根幹に利他の心を置いた、行き過ぎた利己を抑制する新しい文明のあり方を考える。