2026.05.07

【開催報告】4月25日(土)立命館土曜講座

「「プラットホームとポピュリズム」と政治の変化について」
講師:立命館大学 国際関係学部 准教授 NATHANIEL M.SMITH

会場には63名、オンラインでは延べ75名が参加しました。

2026年4月25日の土曜講座では、NATHANIEL M.SMITH准教授を講師に迎え、「「プラットホームとポピュリズム」と政治の変化について」をテーマにご講演いただきました。

■ 冷戦後の政治の変化とプラットフォームの広がり
講座の前半では、冷戦が終わった1990年代以降、世界の政治が大きく変わってきた流れが整理されました。日本では「普通の国とは何か」という問いが語られてきたことや、中国や韓国を含む東アジアの国々でも、政治や経済の仕組みが急速に変化してきたことが紹介されました。こうした変化は、それぞれの国の人びとの政治への向き合い方にも影響を与えてきました。
そのうえで、SNSなどのデジタル・プラットフォームの登場が、政治のあり方を大きく変えてきた点が説明されました。インターネットを通じて、世界の出来事をほぼ同時に知り、意見を共有できるようになったことで、国境を越えたつながりや対立が生まれやすくなっています。プラットフォームは単に情報を伝える道具ではなく、人びとが集まり、政治的な動きが始まる「場」になっていることが強調されました。

■ 右派運動・参政党の事例からみる「参加型ポピュリズム」
講座の後半では、講師自身の長年にわたるフィールドワークをもとに、日本の右派運動がどのように変化してきたのかが具体的に紹介されました。街宣車や印刷物といった従来のアナログな政治活動から、インターネット掲示板、YouTube、X(旧Twitter)などを活用したデジタル時代の運動へと移り変わる過程が示され、過去の運動と現在の政治現象が無関係ではなく、連続していることが明らかにされました。
特に、近年注目を集めている参政党の事例を通して、インターネット上で生まれた緩やかなつながりと、地域での集会や活動を結びつける「参加型ポピュリズム」の特徴が説明されました。ハッシュタグの活用や動画配信、サブスクリプション型の支援など、プラットフォームならではの仕組みによって、政治に参加するハードルが下がっている一方で、情報が偏ったり、社会の分断を生んだりする危うさもあることが指摘されました。
講座の締めくくりには、プラットフォームは人々の行動を「可能にする」便利な存在であると同時に、考え方や行動を「形づくり」「縛る」側面も持っていることが強調されました。そのうえで、私たち自身がどのようにプラットフォームと付き合っていくのかが問われました。SNSをあえてやめてみることや、対面で人と会い、直接話すことなど、「脱プラットフォーム」もまた、私たちにできる一つの選択肢であることが語られました。

参加者からは、
「ネット環境とポピュリズムとの親和性や戦略的利用、グローバリズムとの関連などが理解できた一方で、カウンター側の弱点についても考えざるを得ません。今日的なリベラル潮流の展開のありかたについて、対応の必要性を痛感しました。」
といった声が寄せられました。

4月25日エッセイ

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