2026.08.31

【開催報告】8月29日(土)立命館土曜講座

「平和外交としての留学 ―――東アジア学生交流が平和をつくる」
講師:立命館大学文学部 教授
庵逧 由香

会場には25名、オンラインでは延べ39名が参加しました。

 2026年8月29日の立命館土曜講座では、立命館大学文学部の庵逧由香教授を講師に迎え、「平和外交としての留学 ―――東アジア学生交流が平和をつくる」をテーマにご講演いただきました。東アジアにおける学生交流や留学の意義について、長年にわたり国際教育に携わってきた経験をもとにお話しいただきました。

直接交流が相互理解を深める

 講演では、日韓の大学生を対象とした調査結果を紹介し、相手に良い印象を持つ要因として「直接会話」が大きな役割を果たしていることが説明されました。東アジアには歴史問題や国民感情のすれ違いが存在する一方で、若い世代の交流は着実に広がっており、互いを理解するためには実際に顔を合わせて対話することが重要であると語られました。また、留学は語学力の向上だけでなく、多様な価値観を理解し受け入れる力や、自らの視野を広げる経験につながることが紹介されました。

留学の現状とキャンパスアジア・プログラム

 庵逧教授は、日本への外国人留学生が約40万人にのぼる一方、日本人学生の海外留学者数は約9万人にとどまっている現状を紹介しました。また、日本人学生の留学では1か月未満の短期留学が増加する一方で、中長期留学は伸び悩んでいることが課題として挙げられました。
 続いて、立命館大学文学部が実施する「キャンパスアジア・プログラム(CAP)」について説明がありました。同プログラムでは、日本、中国、韓国の学生がともに学び、それぞれの国で留学生活を送りながら語学力や専門知識を深めています。共同生活や共同学習を通じて相互理解を深めるなかで、学生たちは日本語、中国語、韓国語を柔軟に使い分ける独自のコミュニケーション方法を「キャンパスアジア語」と呼ぶようになったと紹介され、会場の関心を集めました。

留学が育む「小さな外交」の担い手

 講演では、留学を通じて身につく力として「多文化協働能力」や「多文化調整能力」の重要性が強調されました。参加学生からは、「視野が広がった」「異なる価値観を受け入れられるようになった」といった成長の実感も紹介されました。
 庵逧教授は、留学によって培われる多文化理解や対話力が、日常の中で実践される「小さな外交」を支える力になると述べられました。質疑応答では、国際情勢と学生交流の関係や、異文化との向き合い方について質問が寄せられました。


8月29日エッセイ
キャンパスアジア・プログラム - Campus Asia Program | 立命館大学

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