2026.09.12

【開催報告】9月12日(土)立命館土曜講座

「伝統構法木造建物の地震災害」
講師:立命館大学理工学部 建築都市デザイン学科 教授 吉富 信太

会場には46名、オンラインでは延べ43名が参加しました。

 2026年9月12日の立命館土曜講座では、立命館大学理工学部建築都市デザイン学科の吉富信太教授を講師に迎え、「伝統構法木造建物の地震災害」をテーマにご講演いただきました。日本各地に残る寺社や町家、古民家などの伝統構法木造建物を題材に、その特徴や地震被害の実態、歴史的建造物の保存と防災について、豊富な実例を交えながらお話しいただきました。

地震被害の実例から学ぶ建物の耐震性

 講演では、これまでに発生した大地震による木造建物の被害事例が紹介されました。特に、実際の振動実験の映像を用いながら、地震の揺れによって住宅が倒壊する様子や、建物の構造の違いによって被害の状況が変わることが分かりやすく解説されました。建物の構造と被害の関係を示しながら、耐震性能の確保が地震被害の軽減につながることについて語られました。

伝統構法に息づく先人たちの知恵

 伝統構法木造建物の特徴として、木と木を組み合わせる仕口や継手の技術が紹介されました。講演では、柱を石の上に据える「石場建て」の仕組みにも触れられ、地震の揺れが生じた際には柱が石の上でわずかに滑ることで力を受け流す様子を映像で紹介されました。現代の建築とは異なる伝統的な工法に、先人たちが培ってきた知恵や工夫を見ることができました。

歴史的建造物を未来へ受け継ぐために

 講演の後半では、歴史的建造物を保存しながら安全性を確保することの重要性についてお話しいただきました。質疑応答では、寺社などの歴史的建造物に限らず、古民家や京都特有の「うなぎの寝床」と呼ばれる町家の構造に関する質問が寄せられました。また、活断層の位置や過去の災害の記録が地域の中で十分に受け継がれていないという課題についても議論が行われ、防災と歴史・文化の継承をどのように両立していくかについて理解を深める機会となりました。


9月12日エッセイ
立命館大学歴史都市防災研究所

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