【開催報告】10月10日(土)立命館土曜講座
「あらためて問う 平和とは、平和博物館とは何か」
講師:立命館大学名誉教授、立命館大学国際平和ミュージアム終身名誉館長 安斎育郎
会場には74名、オンラインでは延べ88名が参加しました。
2026年10月10日(土)、立命館土曜講座80周年記念公開講演会「未来へ受け継ぐもの」シリーズ第2回として、安斎育郎先生による講演「あらためて問う 平和とは、平和博物館とは何か?」を開催しました。当日は会場およびオンラインから参加があり、平和の意味や平和博物館の役割について理解を深めました。
「平和」とは何かを問い直す
講演では、ノルウェーの平和学者ヨハン・ガルトゥング氏の考え方を紹介しながら、「平和とは単に戦争がない状態ではなく、人々の能力の発揮を妨げるあらゆる暴力が存在しない状態である」と説明されました。戦争や核兵器だけでなく、飢餓や貧困、差別、教育・福祉の格差なども平和を脅かす要因として捉える視点が示され、参加者は平和の概念について改めて考える機会となりました。
戦争と核兵器の歴史から学ぶ
講演では、沖縄戦や広島・長崎への原爆投下、ビキニ水爆実験などを例に、戦争や核兵器がもたらした被害とその歴史的背景について解説が行われました。また、京都が原爆投下の候補地であったことや、現在も世界には多数の核兵器が存在する現状に触れながら、核兵器廃絶に向けた国際的な取り組みについても紹介されました。参加者は、過去の出来事を知り、現在の平和について考える重要性を学びました。
平和博物館が果たす「社会的記憶装置」の役割
安斎先生は、立命館大学国際平和ミュージアムや福島県の「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・福島伝言館」での活動を紹介し、平和博物館を「過去の戦争や核被害の記憶を次世代へ伝える社会的記憶装置」と位置付けました。平和博物館は歴史を保存・発信するだけでなく、人々が社会の課題に関心を持ち、自ら考え行動するきっかけを生み出す場であることが語られました。
活発な質疑応答と参加者へのメッセージ
講演後の質疑応答では、原発事故後の廃炉技術を担う人材育成、平和博物館の国際的な役割などについて質問が寄せられました。安斎先生は、「問題を自分自身に引き寄せて考え、自分にできることを実践してほしい」と呼びかけ、平和を実現するためには一人ひとりの関心と行動が重要であると締めくくられました。会場・オンラインともに活発な意見交換が行われ、平和について考えを深める機会となりました。