女性研究者のもとで学びたい
幼い頃、解剖学の研究者だった祖父が国際学会に出席するため外国に行く姿を見て、「かっこいいな」と思ったことが、研究者を志す道の出発点でした。高校生の時、立命館大学の学校案内パンフレットを見て、ロボットと人間をつなぐ生体工学という学問を知り、「ここで学びたい」と思いました。念願がかない、3回生から生体工学の研究室に所属。指導教官の牧川方昭先生は、今も恩師と慕う存在です。
修士課程を修了後、自活するために一度は企業に就職。家電製品の研究開発に携わりましたが、いずれは博士課程に進学し、研究者を目指そうと決めていました。4年後、辞職・結婚を経ていよいよ博士課程の進学先を探し始めた時、最初に頭に浮かんだのは、「女性の研究者のもとで学びたい」ということでした。今後長く研究者としてキャリアを続けていくために、背中を追い続けていけるようなロールモデルを見つけたいと思ったからです。そこで専門分野が近い女性の研究者を探し、出会ったのが大阪大学で保健学の領域にありながらロボティクスに関心を持っておられた大野ゆう子先生でした。
研究室を訪ね、「ここしかない」と思った直感は間違いではありませんでした。博士課程で学びながら、子どもを妊娠・出産。そんな時、二人のお子さんを持つ大野先生が「一度休むと、戻ってこられなくなる。絶対に休まず、続けなさい」と厳しくも温かく励ましてくださったおかげで、博士課程を修了することができました。