なぜ自然破壊が起きるのか答えを探して研究の道へ
「なぜ、自然破壊が起きるのだろう」。そんな疑問を抱いたことが、研究者としての今につながる出発点でした。
生まれたのは、美しい自然に恵まれた場所。家の周りには田んぼの緑が広がり、夏には近くの川に蛍が飛ぶような田舎で育ちました。地域の小中学校が環境教育に熱心だったこともあり、いつしか自然環境保全に関心を持つようになりました。当時主流だったのが、自然破壊の元凶は利益だけを追求する企業であるという論調です。「なぜ企業は、自然を破壊してまで利益を追求するのか」。その答えを見つけ、自然を守ることに役立ちたいと思い、経済学部に進学しました。
しかし大学の4年間では答えを見つけることはできず、もう少し勉強しようと大学院へ。企業の活動を理解するにはまず会計を知る必要があると思い、会計学を学び始めました。会計学は奥が深く、知識修得で瞬く間に2年が過ぎました。修士課程を終えても依然として謎は解けない。疑問を解き明かしたい一心で博士課程に進みました。