• [+Rな人] 京都建築学生之会主催の作品展で個人賞を受賞/清水慎之介さん

  • 2010年8月11日更新

造形よりもコンセプト

清水慎之介さん(理工学部3回生)
京都建築学生之会主催の作品展「NEXTA10’―けんちくの途中―」で個人賞を受賞

僕は関西で建築を学ぶ学生を対象にした作品展「NEXTA10’―けんちくの途中―」で個人賞を受賞しました。上回生や強豪校の学生に勝つことができたのは嬉しかったですね。もともと、ここに出展した作品は、大学の授業の一環で制作しました。「人工島に貸別荘を作る」という課題です。学内発表での評価はよかったのですが納得がいかず、学外の作品展に出してみようと思い、今回初めて挑戦しました。

別荘のコンセプトは、「野外での生活」。僕は、これまで別荘に対して「休日に安らぐためにわざわざ行く場所」というイメージを持っていました。しかし、現状は別荘に行っても、室内で過ごす時間が多く、本来の自然や静けさ、開放感などを味わえている時間は少ないのではないかと感じたのです。そこで僕は、「中庭」というツールを用いて、食事・睡眠・入浴などを全てそこで行うようにしました。部屋はあくまでも、「引き出し」という概念で、あえて狭く閉鎖的にしています。そうすることで、 家具を自然と外に出し、野外での生活をしてもらえるのではないかと思ったのです。外に出て生活をするというのは不便で面倒くさいかもしれない。でも、僕はこうすることが新鮮で心地よいのではないかと考えました。今回、現状とは違った視点から人間の「外に出る」という行為自体を提案できたのは良かったと思います。

作品展では、審査員の建築家の方から「家具が部屋からはみ出していたり、『物が収まる/収まらない』という概念が面白い」「理想論を掲げてふわふわとした考えの建築学生がいる中、あえて不便という視点に注目したのは面白い」という評価を頂きました。今後は、今ある社会問題や立地などあらゆる条件を踏まえてどうすべきかを考え、造形も重要ですが、「コンセプト」やストーリーを重視した楽しい建築物を作っていきたい。そして、専門家の目線からだけではなく、一般の人が本当に楽しいと感じる空間を生み出す建築家になりたいと思っています。

「NEXTA10’―けんちくの途中―」で個人賞を受賞
「NEXTA10’―けんちくの途中―」で個人賞を受賞
「NEXTA10’―けんちくの途中―」で個人賞を受賞
  • 取材・文
  • 舩岡 知(政策科学部4回生)

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