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442 -  「デザイン」とは、「潜在的に矛盾している人たちの考えをひとつのかたちにまとめていく関係調整」vol.2

「デザイン」とは、「潜在的に矛盾している人たちの考えをひとつのかたちにまとめていく関係調整」vol.2

八重樫 文 准教授
経営学部

  • No.442
  • 2012年9月24日更新
【前回のお話はこちらをご覧下さい】

大学のゼミでは、基本的に「自分で考えること」を奨励していて、学生たちにはいつも「自分のやりたいことをしてください」という話をしています。担当している2回生のゼミでは、年度の初めに自らの「ミッション」について書いてもらっています。多くの学生は「自分は人を笑顔にする」など抽象的なことを書きます。今度はそれを元に「世の中の問題を解決する自分の企画」というテーマの研究計画を書いてもらいます。私と共に、コーディネーター役を務める4回生・大学院生がこの研究計画をチェックし、OKならばサインをするという仕組みにしています。期日までにコーディネーター学生5名と私の計6名のOKサインをもらわないとその先の実践に進めないことにしています。

このサインをもらう過程を通して、複数の先輩の目でチェックをされますので、企画・研究の内容が具体化されていくのと同時に、当初の「人を笑顔にしたい」という抽象的なミッションが徐々に具体化されてきます。抽象を具体化し、それが本当に問題解決に繋がるかを問うような話ができる状態を目指して、ゼミを運営しています。

 世の中では「成功している」と言われることでも、本当に見直してみたら、そうでないことが多くあります。表層で判断せず、問題の本質に向き合えるように自分自身で考える力を身に付けて欲しいと思っています。

受講生の多い授業でも、私が一方的にしゃべり、何か一つの方法を教えたり、何か事例を解説して終わりという進め方はしません。今年から「企業と経営」という1回生の最初に受講する経営学の基礎とも言える授業を担当しています。しかし、受講生は150名位いますので、何かをするのも難しい。そこで、TA(ティーチング・アシスタント:学生スタッフ)と一緒に授業を運営することにしました。その中で取り組んでいる代表的な事例を1つご紹介します。

まず、ある漫画の見開き2ページの、吹き出しのセリフを全部消してコピーします。これを学生に配布して、講義で学んだことをテーマとして提示し、セリフを埋める形でレポートを書いてもらいます。これは、以前CMディレクターをゲストに呼んだ際、学生が感想を書くにあたり、普通の方法ではつまらないので、「何かよい方法はないか」と話していて思いついたものです。漫画のキャラクターを知っている学生は、本当にそのキャラクターが話しているような言葉になりますし、全く知らない学生は、逆に違う人格のキャラクターを作り上げます。どちらも面白いものです。

予想以上に、学生達はレポートを上手に作り上げてくれます。このレポートを作成するには、登場人物の表情やセリフの数を考えながら、テーマをいかに分かりやすく説明するかを考えなければなりません。この過程を通して、自然と経営学の基礎を理解していくのです。

「デザイン」と聞いてイメージすることは、とても多様で、人によって異なります。そのため、「デザイン」と言っても、みんなが違うことを想像していますから、プロジェクトや組織をまとめようと思った時には、うまくまとまりません。「デザイン」という言葉の意味について、そこに関わっている方々が、できるだけ同じ解釈をするように近づけていくことが「デザインマネジメント」だと思います。

何か製品をデザインするとして、それはどんな状況で、誰が使って、何に役立つのかという軸がぶれていると良い製品は生まれません。製品のコンセプトをまとめ、それに基づいて、設計する人、製造する人、販売する人、使う人、それについて語る人が同じイメージを持つことで、良い製品が誕生するのです。

「デザイン」とは、「潜在的に矛盾している人たちの考えをひとつのかたちにまとめていく関係調整」であると私は考えています。「ひとつのかたちにまとめる」ということはデザインにとって絶対必要なことだと思っています。それが、「製品」なのか、それとも「人と人との関係」なのかという多様性が存在するだけです。

■八重樫先生の研究紹介はこちらから

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