Numerical Solution By Implicit Method - 4
■ 増幅率 ■
陰解法での解の安定性と精度について検討するために,増幅率を考えてみましょう。陽解法のとき同様に,陰解式差分方程式(34)式をを用いて表わしましょう。すると,次式のようになります。
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(35) |
したがって,陰解式差分方程式の数値解増幅率ρは次式で与えられます。
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(36) |
■ 精度と安定性 ■
解析解増幅率ρaと陰解法における数値解増幅率ρをグラフにしたものをFig.12に示します。
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Fig.12 解析解増幅率ρaと数値解増幅率ρの比較 |
さて,ここから近似解の計算に必要な,最適な刻み幅冲を求めてみましょう。その冲は,次の条件から決定するのでしたね。
1. 安定した解を得ること(絶対必要条件)
2. 精度の良い解を得ること
1.の条件については,数値解増幅率ρの絶対値が1以下であることでしたね。2.の条件については,数値解増幅率ρが解析解増幅率ρaに漸近することでしたね。このことを考慮すると以下のことがわかります。
陰解法を用いる(特にθが1/2以上)と,近似解は安定しやすい。また,θ=2/3のとき,近似解の精度は良い。したがって,陽解法においては,安定しなお且つ精度良い計算を行うためには冲/Tを0.25以下に設定する必要があったが,陰解法(θ=2/3)においては,冲/Tを2.5以下に設定すれば良い。即ち,陰解法の方が,少ない計算時間で安定し,精度良い近似解が得られるということです。
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