Exact Solution for 1st-order linear O.D.E - 1
■ 初期値問題 ■
一般に,微分方程式の解析解(真の解)を一つに特定することは不可能です。これは初期値問題といい,ある条件(初期値)を与えない限り,解析解を特定することはできません。平たく言えば,「同じ微分方程式でも条件(初期値)が異なれば,解析解も異なる」ということです。
少々わかりづらいですね。簡単な具体例を示しましょう。
次のような微分方程式の解析解を求める問題を考えてみてください。
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(7) |
(7)式の解析解は,単純に積分することによって求められます。したがって,次のようになります。
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(8) |
ここに,A:積分定数を表わします。さて,このAを特定するために,t=0におけるc(t=0)の条件が必要になってきます。例えば,c(t=0) = 2のとき,解析解は次のようになります。
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(9) |
他に,例えば,c(t=0) = 5のとき,解析解は次のようになります。
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(10) |
(9)式と(10)式を比べてみればわかるとおり,初期条件(c(t=0))が異なれば,解析解も異なってきます。このような問題を,初期値問題といいます。
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