Numerical Solution By Implicit Method - 1

■ 微分方程式から差分方程式へ変換(陰解法) ■

 さて,前項で説明した近似解法は,陽解式差分法です。結論から言いますと,この陽解法は,精度や安定性において優れている解法ではありません。このため,今日では,本項で述べる陰解法がよく用いられます。ここでは,(4)式を陰解法で解く方法を学びます。

     (4,再載)

陰解法でも同様に,(4)式を離散化します。dc/dtは以下のように離散化されます。

     (15a)式および(15b)式

さて,ここで重要なことは,(15)式のdc/dtを,区間[t,t+冲]の間のどの点を評価するのかということでしたね。 陽解法では, dc/dtをt=tnの点にて評価しましたが,陰解法では,dc/dtをt=tn+θ冲にて評価します(Fig.10参照)。

Fig.10 dc/dtの評価方法(赤:陽解法青:陰解法

dc/dtがtnからtn+Δtの間に線形的に変化していると仮定すると,tnにおけるdc/dtを次式で評価できます。

     (32)

(4),(15),(32)式より陰解式差分方程式が次のように導かれます。

     (33)

次に未知変数であるcn+1を求めたいと思います。
今回扱っている(33)式はcn+1に関して線形であるので,(33)式を変形すれば,次式のようになります。

     (34)

さらに両辺をで割ると、のような陽式が得られます。




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