1st-order linear Ordinary Differential Equation - 2

■ 支配方程式の導出方法 ■

 Fig.1内で起きている現象を表す式を導きます。現象を表す式(基礎方程式)を導くには,
1. 質量保存則
2. 運動量保存則
3. エネルギー保存則
が必要になります。一般に,2,3番目の保存則は現象に外力が関与する場合に用いられます。
 ここでは,ただ純粋に汚染物質の挙動を調べたいだけなので,質量保存則をたてるだけで十分です(流れによって水圧がどう変化するのか・・・といった問題に対して2,3番目の保存則が必要になります)。




■ 減衰現象 ■

 まずFig.1における,Degradation(減衰)について説明します。
 湖内にある汚染物資は,微生物によって分解されます。すると,当然,汚染物質の量は低下します。その低下量は,Vc/Trの形で表わされています。 さて,湖の体積がVであるということを考慮すれば,

     (6)

ということがわかります。つまり,減衰現象による汚染物質の低下量は,汚染濃度cに比例し,反応時間Trに反比例することになります。
このことを常微分方程式で表すと

       
     (6a)
になります。  さて,Fig.2を見てください。Fig.2は,汚染物質と微生物が接触したときの経時変化を示しています。よって、式(6a)の解は

       
     (6b)
に、なっています。
Fig.2 汚染物質と微生物の分解反応の経時変化

反応時間Trとは,所定の汚染濃度にまで低下させる時間のことをいいます。したがって,分解反応が速く進めば(汚染濃度が大きく低下したら),Trは小さくなります。 したがって,汚染物質の低下量は,Trに反比例しますね。また,汚染濃度が大きく低下するのは,汚染濃度が高いときです。したがって,汚染物質の低下量は,cに比例します。

 ちなみに,反応が速いとは,微生物の絶対量が多い場合や微生物の生息環境が良好である場合を示します。


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