Exact Solution for Advection Equation - 1
■ 初期値境界値問題 ■
常微分方程式のところでも説明しましたが,ここでもう一度初期値境界値問題について説明しておきます。
移流方程式に限ったことではないですが,一般に微分方程式の解析解を一つに特定することは不可能です。これは初期値・境界値問題ともいい,ある条件(初期値もしくは境界値)を与えない限り,解析解を特定することはできません。平たく言えば,「同じ微分方程式でも条件(初期値もしくは境界値)が異なれば,解析解も異なる」ということです。
少々わかりづらいですね。簡単な具体例を示しましょう。
次のような微分方程式の解析解を求める問題を考えてみてください。
![]() |
(5) |
(5)式を積分すると,次のようになりますね。
![]() |
(6) |
さて,解析解を求めるには,(6)式の積分定数Cを特定する必要があります。例えば,t=0のときy=0となるような初期条件を設定したとすると,C=0となり,この場合の解析解はy=2tとなります。また,t=0のときy=2となるような初期条件を設定したとすると,C=2となり,この場合の解析解はy=2t+2となります。
もうお分かりかと思いますが,条件(この場合は初期条件)が異なれば解析解が異なってしまいます。このような問題を初期値境界値問題といいます。
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