在学生・卒業生の活躍

在学生・卒業生インタビュー

朝も昼も夜も、部活に学業に夢にと走り続けた四年間! 自分に対しても相手に対しても誠実に筋を通していく小学校教諭の挑戦

三島 優人 さん

クラス運営でも、保護者、教員同士の関わりでも、大切なのは信頼を築くこと

Q:現在のお仕事について教えてください。

京都市立の西院小学校の6年生の担任を持っています。また、京都市の体育科研究会にも所属し、体育指導の研究活動も行なっています。

Q:小学校の先生になった経緯についてお聞かせください。

2回生の時、小学生の勉強を放課後に支援する「放課後学び教室」という活動に参加しました。その時に、忖度なく常に本音で関わってくれる子どもたちと接する中で純粋に「楽しい」と感じました。これが仕事になるのであれば、幸せなことだと思ったことがきっかけです。

当時スポーツ健康科学部では、小学校教諭の免許が取得できなかったため、聖徳大学でダブルスクールをして取得しました。通常二年間で合計40単位を取得するのですが、私の場合は3回生からのスタートで、1年で40単位、スポ健と合わせて年間80単位分の授業を履修していました。体育会のラクロス部の活動やアルバイトもあったので、とにかく忙しい日々でした。

Q:お仕事の中で大切にしていることはどんなことですか?

子どもたちとの信頼が大切な仕事なので、クラスみんなで決めたルールを自分自身も徹底するようにしています。私自身が守るよう心掛けることはもちろん、好き嫌いで注意するわけではなく、ルールを破っているから注意するということを示すことで、生徒が不公平を感じずに、互いに信頼を築くことができると考えています。

また、べき論で考えないことも大切にしています。「こうあるべき」「この人が言ったから正しい」と固定概念を持たず、筋が通っているか、まずは自分の頭と心で考え、必要があればしっかりとぶつかって話すことを大切にしています。子どもに対しても、保護者に対しても、教員同士でも、きちんとぶつかることで相手の考えや意図を知ることができて、信頼が築かれて行きます。そして、そこからどうするか、次の行動が見えてくることも多くあります。

「段取り力や主体性」自分で考え、そのために全力で行動することの大切さを、部活動やさまざまな経験を通じて学びました

Q:大学時代、どんなことに熱中していましたか?

一番は部活(ラクロス部)です。1回生の時の新人戦では全国優勝しました。基本的に午前中が練習時間だったので、毎朝5時に起きて6時には電車に乗り、7時に大学に到着して練習をしていました。学生の自主運営の色が強い部だったので、練習メニューの計画や練習試合の調整など、自分たちで考えて決める必要がありました。部活を通じて、言われたことをやるのではなく、自分で考えて段取りをするという習慣がついたのは仕事をする上でも役立っています

Q:部活以外はいかがでしたか?

スポ健の授業はどれも楽しかったのを覚えています。スポーツという自分が関わってきた分野がテーマなので、自分自身の体験や経験とつなげて考えることができて納得感も強く、もっと知りたいという気持ちが湧いてきました。ゼミは海老ゼミで、その時の学びをもとに、現在指導に関わっている京都市小学校の駅伝大会で保護者に栄養のことなどをお伝えしています。

また、部活の費用は出さないと両親から言われていたため、アルバイトも一生懸命していました。朝は部活、昼は授業、夜はバイトをして、寝る前に教職の勉強という日々でした。

自分は何のために、何をどうすべきかを考え、そのために取り組んでいたので、自分自身の人生や行動に責任を持つことそのものを学んでいたんだと思います。

子どもたちが身近にスポーツを学べる環境を模索しています

Q:現在の挑戦についてお聞かせください

子どもたちのスポーツ指導はどうあるべきかや、自分自身がどのように関わっていくべきかについて模索しています。子どもたちがスポーツをする機会は地域のスポーツクラブなどもありますが、なじみも手軽さもある学校の中にその機会があればと考えています。京都市の小学校では、部活の取り組みもありますが、スポーツ指導の観点からすると、業務量の多い教員とスポーツ指導員は切り離して考えるのが理想的です。私自身がスポーツ指導にどう関わることができるかも含めて、新しいスポーツ指導のあり方を模索中です。

最後に在学生にメッセージをお願いします

大学生活は自由に使える時間が多くあるからこそ、大切にして欲しいです。友だちと過ごす時間ももちろん大切ですが、周りに合わせてなんとなく過ごしてしまうのではなく、自分が後悔のないよう、その時間を大切に使って欲しいです。

また、教員を目指している学生のみなさん。「教員はしんどい」という話も多く聞きますが、私は本当におすすめします。業務量も時間も多いのは事実ですが、1年目から自分のやりたいことをやりたい方法で実践でき、成長できる仕事です。気持ちがある人には本当におすすめできます。また、教員になる勉強だけではなく、色んなことにチャレンジしてください。子どもたちはみんなが先生になるわけではなく、色々な夢を持っています。近道をしなくてよいので、さまざまな経験をした上で、子どもたちと向き合ってもらいたいです。

※インタビュー及びプロフィールは、取材をした2021年1月時点の内容です。 article-img01article-img02
PROFILE

三島 優人

京都市小学校教諭。在職7年間で京都市教育委員会の「教育実践功績表彰」を2度受賞。体育科の研究会にも所属している。
立命館大学スポーツ健康科学部1期生として入学し、在学中はラクロス部、海老ゼミに所属。3回生から小学校教諭免許取得のため、聖徳大学でダブルスクール。
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