留学先で出会ったホットソース文化に魅了され、おいしさはもちろん、商品のストーリーや楽しさを発信しています
Q:現在のお仕事について教えてください。
日本で初の無添加クラフトホットソース専門店「Hot Sauce Bar」を経営しています。ホットソースとは、「タバスコ」に代表されるような唐辛子を使った調味料です。アメリカでは複数の種類のホットソースを常備している家庭も多く、日本でいうところの料理によって、しょうゆを使い分けるような感覚です。クラフトホットソースは量産品のホットソースではなく、比較的小規模のメーカーさんが作っているホットソースです。クラフトビールと同じように考えていただくとわかりやすいかもしれません。「Hot Sauce Bar」では、国内外の無添加のクラフトホットソースを取り扱っていて、これらを新しい食文化として広めるために活動しています。
Q:「Hot Sauce Bar」を起業したきっかけはなんだったんでしょうか?
大学卒業後、勉強のためにニューヨークで生活していたときに、たまたま入った食料品店でホットソースと出会いました。ひとえにホットソースと言っても、さまざまな種類、味があり、また見た目のデザインもおしゃれなものが多くあります。はじめは家族や友人への「面白いお土産」だったのですが、自分自身の食生活に取り入れたり、お土産で渡したときの反応がとてもよかったりして、すこしずつ日本で普及させたいと思うようになりました。それから海外での使われ方やひとつひとつの商品について調べるとそこには新しい食文化やコミュニティーの可能性が見えてきて、2019年に本格的にお店をオープンしました。
Q:元々起業や食品関係に興味があったのですか?
いえ。アメリカへの留学も「人々の身体にフィットするTシャツ」を作りたいと考え、デザインの勉強のために行きました。ただ、どうしてもそれにしがみつかなければならない、というよりも、海外での生活を通じてさまざまな刺激を受けたり、発見をすることや、自分が「これに打ち込みたい」とより強く思えるものと出会えたら、と考えていました。元々は英語が苦手で、自分が海外に行く想像なんてしていませんでしたが、スポ健でATC(アメリカのスポーツトレーナー国家資格)について学んだり、海外のさまざまな情報に触れる中で、いつか海外で学びたい、と思うようになりました。
スポ健の授業や学部イベントで海外への憧れが強くなりました。プロ意識の高い、刺激し合える仲間とも出会いも今の自分の土台になっています
Q:大学時代はどんな学生生活を送っていたのでしょうか?
部活と授業に熱中していました。野球部は衣笠キャンパスの近くのグラウンドで練習があるので、朝は授業を受けにBKCへ行き、授業後はバイク置き場までダッシュしてバイクで練習に向かうといった毎日でした。Q:部活と授業の両立は大変ではなかったですか?
とても大変でした。ただ、授業も面白かったので、苦に感じたことはありません。友だちと一緒にいるとつい話したくなってしまう性格だったので、友だちと離れて座り、1人で集中して授業を受けるようにしていました。一度卒論時期に部活が忙しくて、自分の研究をサポートしてくれる仲間に任せきりになってしまったことがあり、その時家光先生から一喝を受けました。家光先生は厳しいけれど愛がある先生で、その時のことは今でもよく覚えています。
Q:ゼミはどのようにして決めたのでしょうか?
スポ健の充実した実験設備を活用した実験をしたい! という動機もありましたが、一番の決め手は家光先生の人柄です。1年生の頃からお世話になっていて、先生のゼミに入ろうと決めていました。Q:スポ健で学んだことの中で現在に活きていることはどんなことでしょう?
まずは海外に興味を持ったことが一番大きいです。学部主催のイベントや授業の中でも海外の情報に触れる機会が多くあり、ホットソースと出会うことになる海外留学のきっかけです。もうひとつはプロ意識の高い仲間が周りにたくさんいたことです。スポ健生には、部活と学業を両立しているアスリートが多くいます。そういう人たちはどこかでめちゃくちゃ頑張っている時間があって、そうした仲間の姿に刺激を受けました。私がアメリカにいるときに、学部で同期だった藤江先生もちょうど留学中で、お互い励まし合いながらそれぞれのやるべきことを頑張っていました。今できることを自分自身が楽しみながら取り組んでいます
Q,現在の挑戦についてお聞かせください
冒頭でもお話しした通り、日本初のクラフトホットソース専門店を経営し、新しい食文化づくりに挑戦しています。そんな中でも、現在はコロナ禍の影響もあり、通常営業とは違い、試食を控えていただいたり、ファーマーズマーケットのようなイベント出店もしにくい状況にあります。なので、SNSでの発信など、今できることを自分自身が楽しみながら取り組んでいます。「楽しんでいる」ということが周りの人から「面白そう」と思っていただくチャンスだと考えています。ちなみに、現在の一番の目標は『マツコの知らない世界』に出演することです(笑)。最後に在学生にメッセージをお願いします
ぜひ、今しかできないことに挑戦してください。それは部活でもバイトでもサークルでもいいし、海外や知らない世界に触れることでもいいと思います。そうした活動の中で、たくさんの人や文化に触れるとカルチャーショックを受けて、人として成長するきっかけになります。時間を自由に使える大学生だからできることを、ぜひ頑張ってください!※インタビュー及びプロフィールは、取材をした2021年1月時点の内容です。
PROFILE
基村 典史
日本初の無添加クラフトホットソース専門店「Hot Sauce Bar」を起業。経営者として新しい食文化づくりに取り組んでいる。
立命館大学スポーツ健康科学部1期生として入学し、在学中は野球部で活躍。学業では家光ゼミにて、スポーツ心臓に関する研究を行なった。
立命館大学スポーツ健康科学部1期生として入学し、在学中は野球部で活躍。学業では家光ゼミにて、スポーツ心臓に関する研究を行なった。