在学生・卒業生の活躍

在学生・卒業生インタビュー

スポーツ栄養学を学び、管理栄養士の道へ!個人でアスリート向けの栄養サポートを行う

廣松 千愛 さん

Q.立命館スポーツ健康科学部への入学当初から、管理栄養士になるイメージがあったのでしょうか?


入学当初は、何かしらの形でスポーツに携わる職業に就きたいなとは思っていましたが、具体的に管理栄養士の道を志したのは、3回生の秋頃からになります。1,2回生とあらゆる授業を受ける中で、海老久美子教授の「スポーツ栄養学」が最も印象的だった事もあり、3回生から海老ゼミに所属しました。そこで管理栄養士資格を保有している大学院生が、ゼミの実習にもサポートで来てくださっており、実際に管理栄養士の仕事内容を垣間見る事ができ、その職業へ憧れを抱くキッカケとなりました。


Q.どのような実習が印象に残っていますか?


草津市内の高校に赴き、野球部や陸上部での食事調査や身体検査等を実施し、栄養面から強化に寄与するという実習がありました。それまでは管理栄養士がスポーツ現場にいるイメージがあまり沸いてなかったのですが、そういった実習を通じて、スポーツ現場における管理栄養士の必要性等を体感する事ができました。大学内のみならず、地域や高校等とも良い関係性が多々ある点も、立命館大学の強みだと思います。


Q.本学での大学生活において、役に立った事を教えてください。


大きく分けると2つ挙げられます。1つめはスポーツ健康科学部では多角的にスポーツを学ぶ事ができる点です。私のように、主にスポーツ現場で活動する管理栄養士にとって、栄養学だけでなく「運動生理学」「トレーニング科学」「バイオメカニクス」といった、基礎的なスポーツ知識があるかないかでは、選手やトレーナーが求める事に対する理解度が異なると思います。例えば「最大酸素摂取量の70%の強度」「コンセントリック・エキセントリック」という言葉が出てきても、スポーツに精通している人であれば、それがどのような運動を指すのかすぐに分かると思いますが、あまりスポーツに携わりのない人であれば、中々イメージしずらい可能性があります。そういった点で、スポーツに纏わる様々な知識を習得できた事は、非常に役立っています。

一方、2点目としては、体育会ラクロス部での経験になります。


Q.体育会ラクロス部にも所属されていたのですね


高校生までは陸上競技に取り組んでいたのですが、立命館大学ではラクロスに挑戦しました。もともと大学で部活動に入る予定はなかったのですが、スポーツ健康科学部の特徴として、多くの学生が部活動に所属しており、私も気が付いたら部活生となっていました。ラクロスを選択した理由としては、大学から競技をスタートする学生の割合が多い事と、チームスポーツも経験してみたいと考えた事が理由です。自分の記録を更新するために取り組む個人競技と、各々が自分の役割を果たしてみんなでひとつの目標に向かって取り組むチーム競技の双方を、プレーヤーとしても経験できた事は、現在の活動に通じる部分も多く、意義のある事だったなと振り返っています。


Q.本学を卒業後に、食環境栄養課程を経て管理栄養士資格を取得され、どのようなキャリアを歩む事になったのでしょうか?


食環境栄養課程の後半あたりから、プロ野球球団の選手寮における、調理のアルバイトを開始し、卒業後もそのまま計2年間勤務しました。学生時代から、栄養に関連する外部セミナー等には積極的に足を運ぶようにしており、そこでのご縁もあり、お誘い頂く事になりました。選手寮では朝食の調理担当だった為、ほぼ毎日3時半に起床して5時から出勤といったタイムスケジュールでしたが、実際にプロアスリートの役に立てる事が嬉しく、非常にやりがいを持って取り組んでいました。単に調理をするだけでなく、徐々に献立作成等も任されるようになった事で、選手が求める声に耳を傾ける能力も養う事にも繋がりました。例えば、体重を増やしたいが、中々朝から食欲が沸かない選手に対しては、どのようなアプローチが良いのかコミュニケーションをはかり、白米ではなくパンの種類を豊富に取り揃えるといった工夫等も講じました。そのような出来事を経て、担当した選手が活躍してくれた時は、他には代えがたい大きな喜びになりますね !


Q.現在は、どのような活動がメインとなるのでしょうか?


拠点を東京に移し、個人でアスリート向けの栄養サポートを行なっています。東京五輪にも出場した陸上競技女子100mハードルの寺田 明日香選手をはじめ、プロバスケットボール選手やプロサッカー選手の個人サポートJリーグクラブのユースチーム等を担当しています。いずれも学生時代に、セミナー等に参加するなどで学外で出会ったスポーツに関わってお仕事をされている方々との繋がりで、ご縁をいただいています。オンラインで話せる機会が増えて便利な点もある一方で、実際に会ってお話をすることでしか得られないものもあると思います。


Q.コロナ禍によって、なにか影響はありますか?


悪い事ばかりではなく、むしろ先述のように「オンライン」でのコミュニケーションが浸透した事で、私の活動では好影響が多々ありますね。例を挙げると、選手と定期的に食事面に関する面談を個々で実施しているのですが、コロナ以前は原則対面。それがオンラインに切り替わったことで多くの選手は自宅からの参加となるため、親御さんにもその面談内容を間接的に聞いていただける環境となりました。そうすることで、ご家庭でも食事や栄養について話していただく機会が増えてきていると感じます。

最後に、学生へのメッセージをお願いします。

将来のビジョンが明確な人、これから見つけていく人、様々だとは思いますが、スポーツ健康科学部に入学した多くの人は、何かしらぼんやりとでも、スポーツに携わって生きていきたいと考えているのではないでしょうか。お話させて頂いた通り、私自身もそうでした。立命館大学スポーツ健康科学部では、スポーツに関する幅広い勉強ができる環境だと思うので、是非その環境を活用して、色々な視野を持って欲しいと思います。授業以外の活動も、社会に出てから大いに役に立つので、部活動や友人との交流、外部との交流機会等も存分に楽しんで、大事な時間にしてください。



※インタビュー及びプロフィールは、取材をした2021年2月時点の内容です。

PROFILE

廣松 千愛

スポーツ健康科学部2期生として、20153月に海老ゼミを卒業後、兵庫県立大学で食環境栄養課程を修了し、管理栄養士として活躍。管理栄養士資格を活かし、サッカーやバスケットボールのプロ選手、トライアスロン、陸上競技選手等への食事提供や栄養マネジメントを行う。その傍ら、大学院博士後期課程に在籍し、アスリートを対象にしたスポーツ科学・スポーツ栄養学の研究にも取り組んでいる。
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