2026年6月4日(木)3時限【インクルーシブ体育・スポーツ論】:見方が変わる
本講義では、さまざまな人々がともに参加し、楽しむことのできる体育・スポーツのあり方について検討している。
その中で、今回は障がいのある人々に対する「見方」について学んだ。
講師は、NPO法人アダプティブワールド代表の齊藤直氏であった。本法人は、障がいのある子どもから大人までを対象に、多様な身体活動やスポーツの機会を提供している団体である。障がいのある人々に特化し、多岐にわたる種目を継続的に提供している国内唯一の団体でもある。齊藤氏は20代で本法人を設立し、20年以上にわたり活動を続けている。
今回の授業では、人が何を、どのように「見ている」のかという視点に焦点が当てられた。具体的には、障がいのある人が映し出される場面や説明のされ方によって、同じ人物であっても受け手が抱くイメージが変化することについて考えた。
例えば、両腕がなく足で弁当を食べている姿を見たとき、多くの受講生が「かわいそう」「手助けが必要」と感じた。しかし、同じ人物が世界レベルで活躍する水泳選手として紹介されると、「すごい」と感じる受講生が大半であった。対象となる人物は変わっていないにもかかわらず、見る側の捉え方が変化しているのである。これは、私たちが無意識のうちに抱いている障がいに対する先入観や固定観念とも関係していると考えられる。
授業では、このような視点について複数の事例を通して考察した。
受講生の多くは、「障がい」を自分とは関係のない遠い存在として捉えている。また、無意識のうちに障がいのある人を自分よりも劣った存在として認識していることもあるかもしれない。
今回の授業は、そのような自身の認識や価値観を見つめ直し、障がいに対する見方を再考する契機となった。