キャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナー」:特別講義 「広告業界・広告代理店の仕事」
2026年6月8日のスポーツ健康科学セミナーでは、株式会社NTT東日本マーケティング統括本部マーケティング戦略部に所属され、本学部の卒業生でもある坂本萌氏をお招きし、「広告業界・広告代理店の仕事」について特別講義をしていただきました。
坂本氏は、2017年から2021年まで、ウェブ広告などのデジタルコンテンツ制作を行う株式会社ADKマーケティング・ソリューションズにて、デジタルプランナーとしてご活躍されました。その後、2021年から2025年までは、アイリスオーヤマで自社商品のマーケティングや販売促進に携わられました。現在は、NTT東日本のマーケティング戦略部の一員として活躍されています。
まず、ADKへの入社を決めた理由として、坂本氏は、社会人になってからも学び続けながら、多様な業界とかかわる仕事がしたいと考えていたことに加え、OB・OG訪問で出会った社員の方々に魅力を感じたことが、ADKへの入社理由だったそうです。ADKで多様な企業のプロモーションにかかわる中で、次第に一つの商品について「どうすれば売れるのか」をより深く考えるようになり、新商品の立案が盛んに行われているメーカーであるアイリスオーヤマへ転職されました。そして現在は、NTT東日本にてB to Bのマーケティング経験を積みながら、将来的にはフリーのマーケターとして活動することを目指し、キャリアを描かれています。
次に講義では、広告業界の事業モデルについても説明していただきました。広告代理店は、クライアント企業から「商品や企業の認知を高めたい」「商品を売りたい」といった相談を受け、課題整理やデータ分析を行いながら、広告戦略やプロモーション施策を提案します。そして、広告の目的に合った媒体、例えば、テレビやYouTubeなどへ出稿することで、出稿費や制作費を通じて収益を得ています。
一方で、坂本氏によると、広告代理店の役割は、従来から変化してきているとのことでした。以前は、広告を出すための外注先という位置づけが強かったものの、現在では、クライアント企業と同じ目線で課題解決を進める「社内並走パートナー」としての役割が求められており、コンサルティングに近い存在になってきているそうです。しかし、広告代理店には、広告に関するノウハウやマスメディアとの強いコネクションがあるため、コンサルティング会社にはできない深い提案や、実現可能性の高い施策を提示できる点が強みだそうです。
講義内のワークでは、実際に放映されているコマーシャルを視聴し、その広告が「誰に向けているのか」「何を伝えようとしているのか」「なぜその媒体を選んでいるのか」について考えました。普段は何気なく目にしているコマーシャルについて、その意図や狙いを分析する機会は少ないため、学生たちは興味を持って取り組んでいる様子でした。
坂本氏は、このような視点や考え方こそが、広告業界やマーケティングの仕事で求められる重要な思考であると説明されました。
坂本氏は、マーケティングや広告業界に興味がある学生に対して、身の回りの商品はすべてマーケティングされているため、日常生活の中で広告を見た際に、「なぜ今、ここで、自分に向けてこの広告が表示されているのか」を考えることが大切であるとお話しされていました。そのような視点を持つことで、広告やマーケティングに必要な思考の枠組みを鍛えることができるそうです。そのほかにも、就職活動との向き合い方や転職に対する考え方など、本学部の卒業生だからこそ、在学生に寄り添ったアドバイスをしてくださいました。
社会人になってからも目標を掲げ、学び続けながら挑戦されている坂本氏のお話は、広告やマーケティングの仕事をするということは、単に商品を宣伝する仕事ではなく、「誰に」「何を」「どのように届けるのか」を考え続けることであり、これから進路を考える学生にとって、そのことを学ぶ機会となりました。