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2015/2/25 「手指の運動制御機構」について、熊本県立大学准教授・青木朋子先生にご講演頂きました。


2015225日(水)熊本県立大学准教授の青木朋子先生をお招きし、「手指の運動制御機構」についてご講演頂きました。

 

 手指の運動は、私たちが日常生活を送る上で必要不可欠な運動であり、各指の協調によって書字、楽器演奏など複雑で巧みな動作が可能となっています。青木先生はこのような手指の運動がどのように制御されているのかを探求するため、手指のタッピング運動、把握運動、利き手の研究を日本とアメリカの両国で行ってこられました。

 

 講演では、主にタッピング運動についての実験データをご紹介頂きました。2本の指でタッピングを行う課題では、個々の指の運動機能よりも各指の相性が重要である点、指間の腱間結合が指同士の協調を妨げている点などが、非常に印象に残りました。


 

 また、薬指・小指を使った2本の指でのタッピング課題が、若年成人に比べピアニストではより早く行えること、タッピング動作のトレーニングを行えば、高齢者でも手指の運動機能が改善するという結果も、大変興味深いものでした。さらに、脳画像を用いた実験結果からは、手指の制御には脳の高次機能が深く関係していることが示され、今後は脳の解析からも手指の運動メカニズムが解明されることが期待されます。

 

 冒頭に「ゆるキャラの手指」のお話をされるなど、ユーモアを交えた分かりやすい説明でご講演頂き、聴衆は最初から最後まで青木先生のお話に引き込まれていました。また、実験プロトコルの設定やデータの処理方法についても参考になる部分が多く、非常に実り多いご講演となりました。




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