2016/03/04 第23回NS研究会αが開催されました。
NS研究会α第23回定例会にて、橘由里香先生(鹿児島大学 共同獣医学部付属動物病院 特任助教)、進矢正宏先生(東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻生命環境科学系 認知行動科学講座 助教)をお招きし、ご講演いただきました。
橘先生は、「人はなぜ馬に乗るのか」というテーマについて、馬の診療に関わられ、馬術選手としてもご活躍されている立場から詳細に説明されていました。人が馬に乗る理由としては、乗ることに適した大きさ・背部の形態、優れた体力、そしてコミュニケーションをとれることが挙げられていました。また、馬術競技においてアスリートとして活躍する馬についてもお話いただき、蹄鉄の固定釘を2ミリ出すだけでスプリントパフォーマンスが向上した事例など、興味深い内容をご紹介いただきました。
進矢先生には、「ヒトの反射的姿勢制御における予測の役割」についてご紹介いただきました。我々は自分の運動を「意識的に予測・制御している」と感じていますが、実際には無意識的な予測・反射的な制御が働いているそうです。ご講演では、落とし穴のあるコースを歩行させる「踏み外し実験」など、新規的な実験デザインを用いたご自身の研究データをご紹介いただき、ヒトの反射的な姿勢制御における意識的・無意識的な予測の役割について、理解を深めることができました。講演の終盤には、研究の展望についても述べられており、今後も研究が大いに発展していくことが感じられました。