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スポーツ健康科学セミナーⅡ:専門商社の仕事(特別講演)


2021624日木曜日、標記の授業にて、株式会社ミナト代表取締役社長の湊浩と営業部門・管理部門統括部長の山田泰資氏に来学いただき、「専門商社の仕事」について、特別講義をしていただきました。湊社長は、本学法学部卒業の校友でもあります。

株式会社ミナトは、創業70年以上の歴史を誇る企業であり、業務用の食料品・青果・酒類の卸売業からの取引基盤を活かし、現在は、顧客のニーズに合わせた食材を探索、コーディネートすることによって、「食の京都」を下支えする「食のプラットフォーマー」へと経営改革を遂げようとする専門商社です。業務用食品卸売業は、競合他社がひしめき合う「レッドオーシャン」のビジネスであり、顧客に価値を届けること以上に、ビジネス上の優位性は、「価格」であり、それが取引の鍵を握っているとのことでした。そのため、銀行マンから転身され、家業を継ぐことになった湊社長は、このままでは利益率が下がる一方で、会社の発展が望めなくなると判断されたようです。そして、湊社長は、「ブルーオーシャン」を探究しなければと考えられ、経営改革に乗り出されました。その片腕となられたのが、同じ銀行マンであり、昨年から株式会社ミナトに出向されている山田部長だということでした。

湊社長が考えられた経営改革は、東京、パリ、大阪、ニューヨークという飲食店の店舗数が京都よりも何倍、何十倍とひしめく中で、京都は「ミシュランガイド」で世界2位を誇る地位にあり、「京食材」への注目が集まり、「食の京都」として、ブランド価値が向上しているところに目をつけられたようです。先にも示したように、食品流通業界における画一的な商材を取り扱う既存事業は差別化が図りにくく、価格競争で消耗戦が強いられるため、顧客の要望にあった食材の提案、独自性のある食材の調達、また多様化する顧客層への対応に応じるような新しい事業展開に活路を見出そうとされました。

とりわけ、興味深い株式会社ミナトの理念は、「料理人の要望にあったこだわりの食材を、ストーリーとともに届けることで、『美味しい』を提供し、食される人、料理人、生産者、そしてミナトの『4者の幸せ』を実現する」というものであり、「4×WINの実現」を掲げられています。今後は、京都府・京都市における農業関連の会議や農家の流通・販売のコンサルティングなど、様々なステークホルダーとの「Co-Work」を手掛けるとともに、買収した八百屋事業の展開や契約農家とのパイルの増強といった青果部門の強化、またVRVirtual Reality)を活用したB to Cビジネスの展開など、新たな事業展開を考えていらっしゃるようでした。

受講学生にとっては、いままであまり感じることができていなかった「中小企業の魅力」について考え、キャリアの視野を広げる機会になったことと思います。

(ニュース)20210625-1

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