2014/05/28 鈴木友也様の「スポーツは“超える”-米国の生涯スポーツを支える日本との4つの違い」講演がありました。
2014年5月28日、生涯スポーツ論の特別講師として、トランスインサイト株式会社代表取締役の鈴木友也氏をお招きし、「スポーツは“超える”-米国の生涯スポーツを支える日本との4つの違い-」と題した講演会を行いました。
鈴木さんは、日経ビジネスの「米国スポーツビジネス最前線」を連載し、アメリカと日本のスポーツビジネスの橋渡しをなされる第一人者です。
今回は、スポーツビジネスのお話しがメインではなく、スポーツが人々からどのように捉えられているのか、また人々は、スポーツに対してどのような価値観を抱いているのかを、日本とアメリカの文化や社会構造の違いから論じていただきました。
日本とアメリカのスポーツに対する価値や捉え方の違いを、「スポーツは“競技”を超える」「スポーツは“言葉”を超える」「スポーツは“人間”を超える」「スポーツは“スポーツ”を超える」という4つの「超える」という視点から話をされました。
「スポーツは“競技”を超える」では、1つの競技に専念することが基本となっている日本の部活動のカルチャーとシーズン制で複数種目のスポーツに親しむアメリカとの違いは、人とスポーツとのかかわりにおいて、生涯スポーツへの選択肢が狭められるだけでなく、競技レベルの低下やスポーツビジネスの市場規模にまで影響を及ぼすことを説明されました。
「スポーツは“言葉”を超える」では、日本語でも「彼の“ピンチヒッター”として、その仕事を担当する」というように、アメリカでもスポーツは、言葉で説明するよりもわかりやすいメタファー(隠喩)として日常的に用いられることを、また「スポーツは“人間”を超える」では、自由を自らの手で獲得したアメリカと、敗戦によって自由を“規定”され、与えられた日本とにおける民主主義の成熟度の違いがスポーツ観戦という行為の自由度に影響することを、さらには、「スポーツは“スポーツ”を超える」では、読書の大切さや、スポーツマンシップ、また様々な国々や人々との交流の大切さなどを教えるというNBAを事例に取り上げ、スポーツにおける社会的責任の話をされました。