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立命館大学スポーツ健康科学研究科修了生の道羅絢斗さん(現在東洋大学理工学研究科 博士後期課程3回生・立命館大学総合科学技術研究機構 客員協力研究員)が、立命館大学スポーツ健康科学部 教授・橋本健志先生らと共に取り組まれた共同研究が「Physiological Reports」に原著論文として掲載されました。


立命館大学スポーツ健康科学研究科修了生の道羅絢斗さん(現在東洋大学理工学研究科 博士後期課程3回生・立命館大学総合科学技術研究機構 客員協力研究員)が、東洋大学生命科学部 教授・小河繁彦先生、立命館大学スポーツ健康科学部 教授・家光素行先生、橋本健志先生、同学部助教・藤江隼平先生らと共に取り組まれた研究成果が「Physiological Reports」に原著論文として掲載されました。


https://physoc.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.14814/phy2.70103

 

骨格筋量および筋力の低下は、認知機能低下の要因の一つであることが明らかにされています。一方で、レジスタンス運動は、骨格筋量の増加や筋力の増強だけでなく、認知機能の向上をもたらすことが示されています。さらに、我々の研究グループは、高強度のレジスタンス運動が認知機能向上に効果的である可能性を明らかにしています。しかし、高強度レジスタンス運動は、運動に伴う疲労感が増大するため、継続的な実施が困難であるという課題があります。そのため、運動に伴う疲労感を軽減しつつ、レジスタンス運動による認知機能の向上効果を維持または増強できるレジスタンス運動の確立が求められます。


骨格筋の収縮様式の中でも、エキセントリック収縮(筋肉が伸張しながら力を発揮する)は、コンセントリック収縮(筋肉が短縮しながら力を発揮する)と比較して、同じ絶対負荷であれば運動に伴う疲労感が低いことが明らかにされています。加えて、エキセントリック収縮はコンセントリック収縮に比べて、運動による認知機能向上に関与する脳の神経活動をより活性化する可能性が示唆されています。そこで本研究では、レジスタンス運動の収縮様式をエキセントリック収縮中心とすることで、運動に伴う疲労感を軽減しつつも、運動による認知機能の向上効果を増強できるとの仮説を立て、その検証を行いました


その結果、エキセントリック収縮を中心とする収縮様式に変更することで、レジスタンス運動による認知機能の向上効果が有意に高まり、運動に伴う疲労感が軽減されることが確認されました。つまり、本研究は、エキセントリック収縮を中心としたレジスタンス運動が、認知機能を効率的に向上させるだけでなく、運動に伴う疲労感を抑えることで、継続的な実施が容易な運動形態となる可能性を示唆しています。

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