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本研究科博士課程前期課程2回生伊藤嶺汰さんの研究が「American Journal of Physiology-Regulatory, Integrative and Comparative Physiology」に原著論文として掲載されました。


スポーツ健康科学研究科博士課程前期課程2回生 伊藤嶺汰さんがスポーツ健康科学部 教授 家光素行先生、篠原靖司先生、橋本健志先生、伊坂忠夫先生、助教・藤江隼平先生らと共に取り組まれた研究成果が「American Journal of Physiology-Regulatory, Integrative and Comparative Physiology」に原著論文として掲載されました。

https://journals.physiology.org/doi/full/10.1152/ajpregu.00132.2024

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従来のスポーツ健康科学において、アスリートのコンディショニング低下の要因である上気道感染症(かぜ、インフルエンザなど)には、運動後の一時的な口腔内の免疫抑制が関与しており、唾液中に含まれる抗体IgA(immunoglobulin A)の検討が中心でした。一方で、口腔内の免疫機能には、IgAだけでなく、抗菌ペプチド(LysozymeLactoferrinHBD-2LL-37など)もあり、抗菌作用を発揮することで病原体の侵入を防ぐことが明らかにされています。しかしながら、どの程度の運動強度や運動時間によって、口腔内の抗菌ペプチドが変化するかは明らかにされていません。本研究では、異なる運動強度・運動時間の一過性運動が唾液中抗菌ペプチド分泌応答に及ぼす影響を検討しました。

その結果、異なる運動強度や運動時間の一過性運動において、唾液中抗菌ペプチドの中には、運動強度・運動時間に依存・非依存的に増加するものや運動後に変化しないことを明らかになりました。したがって、本研究は、アスリートや健康を目的に運動を行う個人の適切なコンディショニングを維持するためには、唾液中抗菌ペプチドを評価する必要があることが明らかになりました。


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