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本研究科博士課程後期課程3回生村上嘉野さんの研究が「Brain, Behavior, & Immunity - Health」に原著論文として掲載されることが決定しました。


  スポーツ健康科学研究科博士課程後期課程3回生で、本学RARA学生フェローの 村上嘉野さんが、スポーツ健康科学部教授 橋本健志先生、University of California (UCLA) School of Medicine 教授のSteve Cole博士と共同で取り組まれた研究論文「Parasympathetic nervous activity and CTRA gene expression among healthy young adults in Japan」が、「Brain, Behavior, & Immunity - Health」に原著論文として掲載されることが決定しました。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2666354625000985?via=ihub

 

これまで西洋国家において、副交感神経機能(Parasympathetic nervous system: PNS)は、社会的孤立や死別、孤独、心理的ストレスと深く関連する炎症関連遺伝子群 (Conserved Transcriptional Response to Adversity: CTRA) の抑制に寄与する可能性が示唆されてきました。しかしながら詳細な解析により、PNS-CTRAの関連性は人種間で異なる可能性が指摘されています。実際にPNSCTRAは共に、人種・文化的な差異が生じる心理的特性とも相互に関連する心理生理的因子ですが、これまでのところ、日本を含む東洋文化圏におけるPNS-CTRAの関連性は検討されてきませんでした。

本研究では、西洋とは異なる文化・価値観が根付く東アジアに属する日本の若年健常者を対象に、PNS-CTRAの関連性を検討しました。

研究の結果、PNSを反映する心拍変動 (Heart rate variability: HRV)の高さ は、先行研究と同様に、CTRA の低下に関連することが明らかになりました (解析では年齢、性別、BMI、飲酒・喫煙習慣を考慮) 。この結果から、心身のホメオスタシス維持に働く神経-免疫 (PNS-CTRA) の連関は、異なる価値観を有する文化間でも共通していることが示唆されました。
20250630
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