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本研究科博士課程前期課程2回生橋本海斗さんの研究が「Scientific Reports」に原著論文として掲載されました。


スポーツ健康科学研究科博士課程前期課程2回生の橋本海斗さんが、スポーツ健康科学部教授・橋本健志先生、本学総合科学技術研究機構専門研究員・道羅絢斗先生、スポーツ健康科学研究科博士課程後期課程・村上嘉野さん、松村哲平さん、スポーツ健康科学研究科博士課程前期課程卒業生・蘇楊さん、スポーツ健康科学研究科博士課程前期課程・I Wayan Yuukiさんと共同で取り組まれた研究論文「Positive impact of a 10-min walk immediately after glucose intake on postprandial glucose levels」が、「Scientific Reports」に原著論文として掲載されました。

 

URLhttps://doi.org/10.1038/s41598-025-07312-y

 

食後高血糖は、心血管疾患や認知症の発症リスクを高める重要な因子であり、その抑制は健康維持において極めて重要です。運動は血糖コントロールに効果的であることが広く知られており、食事30分後に30分間歩行の実施が推奨されております。しかし、忙しい生活の中で毎食後に30分間の歩行を継続するのは難しいと感じる人も少なくありません。


そこで本研究では、健康な若年成人12名を対象に、安静条件食事直後10分間歩行条件、これまで推奨されてきた食事直後30分間歩行条件3条件を比較しました。その結果、わずか10分間の歩行でも、食事直後に開始することで、食後2時間にわたる血糖値の上昇・血糖の平均値・ピーク値を有意に抑制できることが示されました。


本研究の成果は、より多くの人が日常生活に取り入れやすい「短時間かつ汎用性の高い運動様式」の有用性を示すものであり、妊娠中の方や高齢者など、長時間の運動が難しい方にも応用可能なシンプルかつ実用的な戦略として期待されます。また、日本の健康ガイドライン「アクティブガイド」が推奨する「10(プラステン)」“今より10分多く身体を動かそう”という方針の食後高血糖対策に対する新たな科学的根拠となるものです。

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