News

ニュース

2020年度藍星賞受賞者

2020年度藍星賞受賞者リスト

  1. 1.研究部門 塚本 敏人
    (立命館大学スポーツ健康科学部 助教)
  2. 2.教育部門 菅 唯志
    (立命館大学スポーツ健康科学部 研究准教授)
  3. 3.国際部門 前大 純朗
    (立命館大学スポーツ健康科学部 助教)
  4. 4.社会連携部門 髙尾 憲司
    (2021年3月 立命館大学スポーツ健康科学研究科スポーツ健康科学専攻博士課程修了)

1)塚本 敏人 氏

塚本敏人氏は、本学スポーツ健康科学研究科の博士課程前期・後期課程出身者です。在学時、スポーツ健康科学研究科で初めて日本学術振興会特別研究員DC1に採択された人物であるとともに、本来3年間の修学期間を1年間短縮でき、早期修了生として2年間で学位を取得したスポーツ健康科学研究科初の人物でもあり、今日の本学スポーツ健康科学研究科の飛躍に学生の立場から深く関わってきました。その後、英国での研究活動を経て、学部・研究科創設10周年を迎えた本年度より、スポーツ健康科学部の助教として教育・研究活動に励んでおります。この間、一貫して認知機能に関する研究を行っており、脳の健康科学分野の発展に貢献しております。

塚本氏は、2020年度、5編の学術論文と1編の総説を発表しており、投稿中の学術論文6編と10編を超える投稿準備中(再投稿含む)の研究成果を含めると、スポーツ・健康科学分野の発展のために、精力的な研究活動を行っている”Beyond Border”であることが客観的にもわかります。こうした研究成果は、国外のシンポジストを含むシンポジウム(第98回日本生理学会、2021年3月開催)で発表することが決まっております。引き続き、研究活動を活発に取り組むための外部獲得資金も民間の財団から2件得ており、今後も多くの研究成果が期待できます。

2020年度、特筆すべきは、脳の血流調節機能に対する朝食の重要性を明らかにし、この研究成果をまとめた学術論文を、生理学分野で著名なAmerican Journal of Physiologyに筆頭・責任著者として発表している内容になります(Plasma brain-derived neurotrophic factor and dynamic cerebral autoregulation in acute response to glycemic control following breakfast in young men)。この学術論文は、当該分野の国内外の専門家と共同で発表したものであり、世界中の誰しもが日常的に対峙する朝食について、その「質」が脳の健康維持に重要であることを示した、社会的価値の高いものです。国境の垣根をも超える研究のための考動力を持つ塚本氏は、藍星賞を受賞するに相応しい人材です。

2)菅 唯志 氏

菅唯志氏は、学生の高い研究力ならびに成果の発信力の涵養が、日本一の学部・研究科を目指すうえでの根幹である考え、これまでに多くの本学部生や大学院生に対して熱心に研究教育を展開し、国内外の学術論文や学会発表を通して多様かつ多数の研究成果を発信している。学部生、院生への研究教育の成果として、5年間の助教の間に、32本の論文を国際学術誌に掲載され、75本の演題を国内外の学会にて研究成果を発表された。学生の国際発信力およびプレゼンテーション能力を向上させることに尽力をつくされながら、すべての論文において、責任著者として関わり、研究成果を論文にまとめるプロセスを学生に学ばせ、また、喜びを持たせた功績は、藍星賞 教育部門賞に相応しい人材です。

3)前大 純朗 氏

前大純朗氏は、英国のラフバラ大学と共同で、「アスリートの筋形態特性」や「レジスタンストレーニングに対する身体の適応」に関する研究を進めている。なお、ラフバラ大学は、QS社が発表する最新(2017-2020年)の大学ランキングにおいて、スポーツ関連領域で4年連続世界一に選出されており、国際的に高い評価を得ている大学である。その共同研究の一部は、「The Muscle Morphology of Elite Sprint Running」としてMedicine and Science in Sports and Exerciseで2020年10月に早期公開され、The GuardianCNNなどの大手を含む100以上の報道機関に取り上げられている。また、ラフバラ大学との共同研究は、インペリアル カレッジ ロンドンやカリフォルニア大学サンディエゴ校との共同研究に発展し、前大先生を筆頭または共著者として複数の論文が現在査読中であり、今後も多くの国際共同研究の成果が期待できる。

前大氏は、上記の個人レベルでの国際共同研究に加え、大学レベルでの国際交流にも尽力している。事実、2019年2月に英国ロンドンにて本学とラフバラ大学が共同開催したシンポジウムでは前大先生が司会を担当し、2019年7月には同大学の Folland 教授を客員教授として招聘している。さらに、2020年度に採択された本学の「海外大学とのグローバル研究連携推進プログラム」では、ラフバラ大学を連携先に含み、日本国内での研究セミナーやワークショップの実施、学生の交換留学を計画している(2021年度に実施予定)。以上、前大先生は、国際共同研究や海外大学との交流を通して、立命館大学の国際プレゼンスの向上に大きく貢献している。

4)髙尾 憲司 氏

高尾憲司氏は、男子陸上競技部長距離パートのコーチを務め並びに、本研究科の社会人院生として、2021年2月、博士論文公聴会をおえて、2021年3月に博士課程を修了した。
その高尾憲司氏は、上述の活動に加えて、2015年より視覚障がい者マラソンのサポートを学生達と取り組んできています。サポートを行った近藤寛子選手(滋賀銀行)が2016年リオパラリンピック女子マラソン日本代表に選出され、5位入賞を果たしました。また、2020年2月2日に開催された別府大分毎日マラソンでは、井内菜津美選手(みずほファイナンシャルグループ)がT11クラスの世界記録を達成しております。パラアスリートのサポートを通じて、パラアスリートとの競技力を高めるだけでなく、その魅力を社会にアピールするとともに、その活動に学生を参画させることで学生のスポーツの見方、考え方を発展させるとともに、学生の成長も促している。

活動実績(下記を参照ください)

左から学会長の長積先生、塚本先生、菅先生、前大先生、髙尾さん(2021年6月)