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2021年度藍星賞受賞者

2021年度藍星賞受賞者リスト

  1. 1.研究部門  森嶋 琢真
    (中京大学教養教育研究院 准教授)
  2. 2.教育部門  木下 裕介
    (立命館宇治高等学校教諭 アメリカンフットボール部監督)
  3. 3.国際部門  廣松 千愛
    (立命館大学スポーツ健康科学研究科博士課程後期課程)
  4. 4.社会連携部門 杉山 敬
    (立命館大学スポーツ健康科学部 特任助教 )

1) 森嶋 琢真 氏

森嶋琢真氏は、本学スポーツ健康科学研究科博士課程前期課程・後期課程の一期生であり、後藤一成教授の指導の下、精力的な研究成果をまとめた博士論文「健康増進をねらいとした低酸素環境での運動の効果に関する研究」を提出し、本研究科における最初の博士の学位を授与された人物である。さらに、本研究科博士課程後期課程在学中に本研究科において,最初に日本学術振興会特別研究員へ採用された人物でもある。したがって、今日の本学部・本研究科の国際的かつ飛躍的な発展の礎を築いた人物である。森嶋氏は、学位取得後、米国のUniversity of Missouriに留学し、そこで新たに血管機能に着眼した研究を開始した。具体的には、デスクワークや海外旅行のような長時間の座位によって生じる脚部の血管内皮機能の低下を抑える効果的な運動トレーニングあるいはサプリメント摂取の効果を検証した研究成果を多くの国際学術誌に発表している。さらに、留学後は、筑波大学、法政大学、そして、本年度着任された中京大学において、運動と血管機能の関係、とりわけレジスタンス運動によって生じる血管内皮機能の低下を抑える効果的な運動方策の探索やその機序解明を目指した研究成果を多くの国際学術誌に発表している。したがって、今後も本邦のみならず世界のスポーツ健康科学研究をリードする先駆的かつ精力的な研究成果の発信が期待できる人物である。

森嶋氏には、本年度開催された立命館大学スポーツ健康科学部・研究科10周年記念式典において、「2050年におけるスポーツ健康科学」をテーマとしたパネルディスカッションに本研究科の修了生を代表し、ご登壇頂いた。また、本学部における運動生理学の講義においてもこれまでの精力的な研究成果を運動生理学の観点に立脚し、ご講演を頂いた。したがって、本研究科を修了した現在においても本学部・本研究科の発展ならびに学生の学びに貢献して頂いている。
以上の精力的な研究実績ならびに本学スポーツ健康科学部・研究科への尽力を鑑み、森嶋氏は、藍星賞(研究部門)を受賞するに相応しい人物である。

2)木下 裕介 氏

木下裕介氏(立命館宇治中学校・高等学校 教諭)は、2018年に立命館宇治高校アメリカンフットボール部監督に着任されて以降、公式戦戦績32戦27勝、うち2度の日本一(2019年度、2021年度)を達成されるなど、輝かしい実績を残されている。2019年度の日本一については、立命館宇治高校アメリカンフットボール部創部初であり、今なお、学園の新たな歴史の一部を創造されている。

その指導の特徴は、まさに「人間教育」。部員(選手・マネージャー)に対する指導、教育はもちろんのこと、ともにチームを組織するコーチに対しても1人1人と丁寧かつ真剣に向き合い、対話し、これを積み重ねることでチームに携わる全ての人間力を総合的に向上されてきた。結果として、立命館宇治高校アメリカンフットボール部は、あらゆるステークホルダーから支援され応援されるチームに成長を遂げている。加えて、チーム力・組織力の向上に比例して、先述のとおり大きな成果を上げられた。

「人間教育」を軸としたチーム力強化の手腕は、指導を受けた選手、チーム関係者、他の指導者・教育者など、チーム内外問わず多くの評価を得ており、スポーツをとおした「教育」の1つのロールモデルを示されたと言っても過言ではない。

このように、教育者として、アメリカンフットボールをとおして大きな功績を残されている木下裕介先生は、藍星賞受賞にふさわしい人物である。

3) 廣松 千愛 氏

スポーツ健康科学部卒業生(2期生)である、廣松千愛さんは、本学部卒業後、管理栄養士を目指し、養成課程のある公立大学に編入し、卒業と同時に管理栄養士の資格を取得した。

この間に、自らの積極性と語学力を活かし、カナダ(モントリオール)にてカナダナショナルチームやシルク・ドゥ・ソレイユ、また、イタリア(ミラノ)にてセリエAユースチームの食事・栄養管理などを現地にて学び、国内外のネットワークを構築。管理栄養士資格取得後は、フリーランスとして、サッカーやバスケットボール等、様々なプロ選手に栄養管理のサポートや食事提供を行う他、Jクラブやプロ野球のアカデミーにて、育成年代の選手への食育も行っている。

昨夏開催された、第32回オリンピック・パラリンピック競技大会(2020/東京) においては、陸上の寺田明日香選手、トライアスロン・パラトライアスロンナショナルチームに対し、複数回にわたり合宿帯同を含む栄養サポートを実施。日本選手の国際競技力向上に貢献した。

また、昨年末には、IOC Diploma in Sports Nutritionを取得。国内外における今後の活躍が大きく期待される。

以上、スポーツ健康科学部卒業生の新しい活躍の可能性を示す存在でもある、廣松千愛さんは『藍星賞』受賞にふさわしい人物である。
廣松さんの活動の詳細については以下を参照下さい。
https://colory.jp.net

4) 杉山 敬 氏

杉山 敬氏(特任助教)を藍星賞 社会連携部門の表彰対象者として推薦します。

その理由は、以下の通りである。

①スポーツ庁の助成事業「女性アスリート支援プログラム」
「女性ジュニア・アスリートのパフォーマンス向上とスポーツ傷害予防トレーニングの創発プラットフォームの構築―ネットワークを活用した最先端の「知」の共有と次世代型指導者の育成システム―」の企画・運営リーダーとして、この事業の推進にあたり、京都府中体連・高体連、滋賀県中体連・高体連との連携を促進し、中学、高等学校の先生方に本プロジェクトを広めて協力関係を構築し、多くの生徒に「スポーツ傷害予防」のプログラム提供を行った。もちろん、大きなプロジェクトであり、参加メンバーも多数いるが、その中心的な役割を果たしたことは、メンバー一同、意見の一致するところである。
http://www.ic.fc.ritsumei.ac.jp/athlete/member.html

②上記のプロジェクトで構築したネットワークから、中学、高等学校でのワークショップ、相談についても適宜行い、「スポーツ健康科学」を生徒のみなさんへ広めた功績は大きい。

③スポーツ傷害予防のオンライン・シンポジウム、ワークショップについての運営・企画についても大きな貢献を行い、本学部の研究力を社会に発信し、連携を深めた功績は大きい。

  • 森嶋琢真さん
  • 木下裕介さん
  • 廣松千愛さんと長積先生
  • 杉山敬先生と長積先生
  • 左から杉山先生、廣松さん、学会長の長積先生