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2024年度藍星賞受賞者

2024年度藍星賞受賞者リスト

  1. 1.研究部門   二連木 晋輔 
    (アメリカ・オハイオ州立大学)
  2. 2.教育部門   小西 可奈 
    (東洋大学 健康スポーツ科学部栄養科学科 講師)
  3. 3.国際部門   林 理紗  
    (本研究科M1所属)
  4. 4.社会連携部門  木村 友香理 
    (特定非営利活動法人「コミュニティ・スペースsacula」代表)

1)二連木 晋輔 氏

二連木 晋輔氏は、2015年にスポーツ健康科学研究科博士課程後期課程を修了し、博士号を取得しました。その後、京都医療センターで臨床研究を経て、アメリカ・オハイオ州立大学 (The Ohio State University Wexner Medical Center) にて、運動や脂肪組織を中心とした予防医学の基礎研究に取り組んでいます。今回、アメリカ心臓協会(American Heart Association)のCareer Development Awardを受賞されました。この助成金(総額$231,000)は、研究主催者(PI)として必要なトレーニングを積むための支援であり、今後の活躍が期待されることから、藍星賞の研究部門の受賞者候補として推薦致します。

2)小西 可奈 氏

小西可奈氏は、2017年に立命館大学スポーツ健康科学研究科を修了し、博士(スポーツ健康科学)を取得しています。その後は、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所にてポスドクとして2年間勤務し、その後、2019年より東洋大学 健康スポーツ科学部に助教として着任されております。この間、研究・教育を精力的に推進するとともに、新学部の設立にも寄与されています。2024年4月からは、新設された学部においてパーマネントのポストも獲得し、現在講師として研究・教育に尽力されています。教育に関しては、東洋大学 食環境科学部 食環境科学科に在籍中はスポーツ栄養学、食育論、運動生理学実習及び調理科学実習などスポーツと栄養に関する科目を担当し、現在の健康スポーツ科学部 栄養科学科では栄養指導論、栄養指導論実習、校外実習などを担当し、栄養士の養成に携わっています。また、大学院の科目(競技別栄養管理演習など)も担当しており、大学院生(博士前期課程)1名の指導にあたっています。立命館大学 スポーツ健康科学研究科 博士課程後期を修了後、着実に教育者・研究者としての道を進んでおられます。

以上の理由から、小西氏は、スポーツ健康科学会「藍星賞(教育部門)」にふさわしい人物であると確信しております。小西氏のたゆまぬ努力に深い敬意を表し、推薦いたします。

3) 林 理紗 氏

林理紗氏(2019年度本学卒業)は、2022年度3次隊JICA海外協力隊として、ルワンダ陸上競技連盟に派遣され、陸上競技隊員としてルワンダの陸上競技選手の育成を担う傍ら、近隣の学校において体育の普及にも尽力しました。

林理紗氏は、JICA海外協力隊として活動していた2023年10月、パリ大会までの4大会連続オリンピック出場を果たした飯塚翔太選手のルワンダ訪問を実現させ、世界のトップレベルの選手を目指すルワンダ若手陸上選手の指導を飯塚翔太選手と共に指導を行いました。林理紗氏と飯塚翔太選手が指導を行った、NIYONSABA Thabita選手は2週間後のルワンダ全国競技大会でメダルを受賞しています。林理紗氏と飯塚翔太選手との指導の様子は、JICAをはじめとする様々な媒体で活動の様子が報告されています。また、2024年8月18〜24日にかけてウガンダで開催された東アフリカセカンダリースクールスポーツ大会(Federation of East Africa Secondary Schools Sports Associations Games 2024)では、ルワンダ代表として12名の選手を引率しています。2023年度予選落ちを経験した活動先のNIYONSABA Thabita選手が決勝に進出し、200mで5位入賞を果たす指導の成果も挙げています。選手の指導のみならず、林理紗氏の「ランニングシューズを持っていない子も多く、サンダルで練習している子もいる」というSNSの投稿を契機に、本学陸上競技部がシューズやウェアを収集し、林理紗氏が活動するジーエスセントアロイスルワマガナアスレティッククラブ(GS St. Aloys Rwamagana Athletics Club)に、シューズやウェアが寄贈されました。寄贈後、林理紗氏が指導するクラブの部員と本学陸上競技部がオンラインで交流する機会も設けられました。本活動は、社会貢献として本学SPORTS & CULTUREのSPORT REPORTS & TOPICSにも紹介されています。

また、2024年8月18日・19日に開催された(一社)日本運動・スポーツ科学学会 国際健康・スポーツ分科会第22回大会において「ルワンダにおける陸上競技選手育成の成果と課題およびJICA海外協力隊の役割」と単独でオーラル発表を行っています。派遣終了後は、本学の大学院に入学し、「ルワンダにおける体育教員の資質向上に向けた基礎的研究: セカンダリースクールにおける体育授業実施の促進要因と阻害要因」をテーマとした研究を行う予定です。

「スポーツ健康科学」分野において、国際的な選手育成や社会貢献と研究発表といった顕著な業績・功績をあげており、本学大学院での新たな挑戦とその実現に向けた期待を込めて、林理紗氏を2024年度スポーツ健康科学会『藍星賞』3.国際部門の適任者として推薦します。

4)木村 友香理 氏

木村友香理氏は、真田ゼミ1期生で、卒業後OIC人間科学研究科に入学し、修了後は特定非営利活動法人コミュニティ・スペースsaculaを立ち上げられました。本法人は,子ども・若者及びその家族に対して,居場所と相談サポートに関する事業を通じて様々な経験を提供し,子ども・若者の心身の成長と社会とのつながりに寄与することを目的としています。子ども食堂を運営するなど京都市を中心に子どもや若者が安心して過ごせる居場所づくりに大きく貢献しており、今回、スポーツ健康科学会「藍星賞」に該当すると思い、推薦させていただきます。

  • 林 理沙さんと真田先生
  • 木村 友香理さんと真田先生
  • 受賞者のお二人
  • 林さんと山平先生

受賞メッセージ

二連木 晋輔さん

このたびは藍星賞を賜り、心より感謝申し上げます。開設15年、卒業生3000~4000人の中から選出いただき、大変光栄に存じます。

私はスポーツ健康学研究科で博士号を取得後、京都医療センターで臨床研究に従事し、その後アメリカ・オハイオ州立大学にて、運動や脂肪組織を中心とした予防医学の基礎研究に取り組んでおります。在学中は企業でのインターンなど回り道も多く、一般的なキャリアとは異なるかもしれませんが、自分としては一生研究を楽しみながら続けるために必要な道を歩んできたと考えています。

今回、アメリカ心臓病協会(American Heart Association)のCareer Development Awardを受賞いたしました。この助成金(総額$231,000)は、研究主催者(PI)として必要なトレーニングを積むための支援であり、この受賞により、アメリカでラボを主宰するという自身の目標に一歩近づくことができました。

研究者は、税金や民間企業の支援によって研究を進めており、社会の発展に貢献することを使命としていると強く認識しています。臨床や企業の現場、そして基礎研究の場でも、解決すべき課題は多く、世界にはまだ取り組むべき問題が数えきれないほど残されています。そうした課題に真摯に向き合い、研究を通じて少しでも前進させることが、私自身の目指す道です。

幸運にも、私の研究がアメリカ心臓病協会に評価されたことを大変嬉しく思います。今後も、自分の能力を活かしながら、微力ながらも世界に貢献できる道を模索し、研究を続けてまいります。

改めて、このたびの受賞に深く感謝申し上げます。

学生の皆様、学会等で見かけたらお気軽にお声がけください。

小西 可奈さん

この度は、藍星賞という栄誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。

ご推薦いただいた村上晴香先生、選考委員の先生方に心より御礼申し上げます。また、立命館大学博士課程前期課程・後期課程在籍時にご指導いただいた真田樹義先生と海老久美子先生、貴重なご助言をいただきました立命館大学スポーツ健康科学部の先生方に深く感謝申し上げます。

2019年4月に東洋大学に助教として着任し、スポーツ栄養学、食育論、運動生理学実習及び調理科学実習などスポーツと栄養に関する科目を担当して参りました。2024年4月からは新設された栄養科学科において、栄養指導論、栄養指導論実習、校外実習などを担当し、栄養士を目指す学生の育成に携わっております。教員として授業や実習を進め、学生や院生の教育や研究のサポートに携わる中で、スポーツ健康科学研究科で学んだ知識や習得した技術を活用する場面が多くあります。加えて、あの時私はこんな助言をいただいたな、このように指導してもらったな、などと立命館大学大学院時代を思い出しながら、学生や院生に接することも多々あり、教員という立場になった今、改めてこれまでご指導いただいた先生方へ感謝と尊敬の念を抱いております。

本学科に入学した学生が、対象者の方に寄り添い、目的に応じた適切な栄養教育ができる栄養士として成長してくれるように、学生及び院生の教育と研究のサポートに尽力し、実践現場で活躍できる栄養士の育成に貢献できるよう精進して参ります。