今年で開設8年目を迎える音楽関連団体共同寄附講座「デジタル/
ネット文化・産業論」は、一般社団法人日本音楽出版社協会、
一般社団法人コンサートプロモーターズ協会、社団法人日本芸能
実演家団体協議会・実演家著作隣接権センターの3つの団体の
寄附から成り立つ講座で、音楽評論家の反畑誠一客員教授の
コーディネートによって、コンテンツ産業界の最前線で活躍されて
いる方々をゲスト講師として招聘するリレー形式の講義です。
この科目では、デジタル化とインターネットがもたらした文化・
産業の構造変化を多角的に現状分析・認識し、次世代の方向性を
研究することを課題としており、コンテンツビジネスやエンタテイン
メントビジネスに関心を持つ多くの学生が受講しています。
11月2日(水)に行われた第6回講義では、株式会社オフィス
オーガスタの代表取締役として音楽産業の第一線で活躍する森川欣信氏
をお招きし、イギリスのロックバンドをネットでスカウトし、日本で
先行デビューさせたお話や、音楽の海外進出の現状と課題について
講義が行われました。
講義では、株式会社オフィスオーガスタに所属するアーティストの
音楽や映像を流していただきながら、インターネットの普及が音楽産業
にもたらした影響について、音楽制作やアーティストをプロデュース
する視点からお話いただきました。ネットの普及により音楽の聴き方や
流通など音楽を取り巻く環境が大きく変化し、ネットを通じて世界中の
アーティストをスカウトすることが可能になった現状を解説していただき
ました。日本国内のアーティストだけでなく、海外のアーティストを
スカウトして日本から発信させるというビジネスモデルが今後の音楽
産業にとって重要なポイントであることをお伝えいただきました。
さらに、株式会社オフィスオーガスタの海外へ向けた様々な取り組みに
ついてもご紹介いただき、日本の音楽が海外で受けいれられるためには、
欧米の真似ではなく、日本独自の文化を取り込んだ音楽を発信していくこと
が重要であることを示していただきました。学生は音楽産業のデジタル化の
メリットとその可能性について学ぶとともに、消費者とは別の視点で音楽
産業を見つめ直す機会となりました。