今年で開設8年目を迎える音楽関連団体共同寄附講座「デジタル/
ネット文化・産業論」は、一般社団法人日本音楽出版社協会、
一般社団法人コンサートプロモーターズ協会、社団法人日本
芸能実演家団体協議会・実演家著作隣接権センターの3つの
団体の寄附から成り立つ講座で、音楽評論家の反畑誠一客員
教授のコーディネートによって、コンテンツ産業界の最前線
で活躍されている方々をゲスト講師として招聘するリレー形式の
講義です。この科目では、デジタル化とインターネットが
もたらした文化・産業の構造変化を多角的に現状分析・認識し、
次世代の方向性を研究することを課題としており、コンテンツ
ビジネスやエンタテインメントビジネスに関心を持つ多くの
学生が受講しています。
12月7日(水)に行われた第11回講義では、株式会社FM802
の代表取締役専務としてメディア業界の第一線でその発展に
尽力されている栗花落光氏をお招きし、FMラジオ局の歴史
と展望についての講義が行われました。
<株式会社FM802代表取締役専務 栗花落 光 氏>
講義ではまず、FMラジオ局の歴史について、ビジネス戦略
を中心に様々な角度から分かりやすく説明していただきました。
「ヘビーローテーション」というFM802独自のビジネス方法
によってラジオからヒット曲を生み出し、80年代後半の音楽
シーンに変化を起こしたことや、扱う音楽を限定するという
一つの主張・独自性を持ってビジネスを展開し、現在もシェア
を保ち続けている実態を詳細に解説していただき、学生は
メディアビジネスについて消費者とは別の視点から考える
ことを学びました。
さらに、デジタル化に伴う多チャンネル時代の到来と今後の
展望について最新の貴重な情報をお話しいただき、学生は
これからのメディア産業を考えるにあたり、「コンテンツの質」
や「ローカル、更にはクラス・パーソナルメディア」が重要な
ポイントとなることを実感しました。また、ラジオや音楽に
対する先生の熱い思いは学生の心に強く響いた様子です。