2013年1月19日(土)スポーツ社会専攻「連続講義シリーズ」の
3回目の企画として、「民俗文化復興運動・ターンツハーズ運動
40年 ハンガリー農村の舞踊と都市における再生」が立命館大学
充光館301号にて開催されました。当日は、学生だけでなく地域
の方々の参加もありました。
スポーツ社会専攻の遠藤先生が司会を務め、開催された今回の
講義テーマである「ターンツハーズ運動」とは、ユネスコの無形
文化遺産にも指定されている、ハンガリーの民俗舞踊の復興運動
のことを言います。
ハンガリーの農村には、年中行事や通過儀礼に伴い、また日常生
活における娯楽の一環として、民族舞踊を踊る伝統がありました。
しかしながら、生活の都市化、近代化が進行する中で、伝統的な
踊りの機会は減少してしまいました。この民族舞踊の重要さに気
が付いた人々がターンツハーズ運動をお越し、民俗舞踊は今日ま
で継承されています。
演者による演奏とダンスで始まった当日の講義では、トランシル
ヴァニア出身の民族舞踊継承指導者と舞踊専門家による舞踊の実
演、ターンツハーズ運動を草創期から支え続けている演奏家によ
る演奏が行われ、ホール内は美しい音色に包まれました。
その後、トランシルヴァニア地方の生活と舞踊に関する写真を用
いた講演がなされ、ターンツハーズ運動の歴史や、都市における
実践的な民族文化保存・振興の一つの好例であるターンツハーズ
運動と、その規範となった農村の生活について学ぶことができま
した。
また、講義の最後には、演奏で使用されたハンガリー伝統の楽器
を参加者が演奏したり、一緒になって演奏に合わせてダンスを踊
ったりと貴重な体験を積むことができました。
今回講義へ参加した、スポーツ社会専攻2回生の小泉和也さんは
講義の感想を「ハンガリーの農村において、唯一の娯楽である民
俗舞踊が年中行事や通過儀礼においていかに重要なものであるの
かが分かった。今回の公演を見て、本当に楽しそうにされていて、
見ている自分もリズムにのってしまった。一度失いかけていた伝
統を復活させる運動と努力は本当にすごいと思うし、日本にも伝
統的なものはたくさんあると思うので、このような成功例から学
ぶことは多いと思う。」と語ってくれたように、講義は参加者に
新たな気づき、学びを与える場となりました。
今回の講義が、スポーツ社会専攻企画連「続講義シリーズ」の最
後の企画となりましたが、今後もスポーツ社会専攻では、地域や
学外の方々と連携し、今日多様な側面を持つスポーツを多角的に
捉えることができる場を企画していきます。