2013年度後期「デジタル/コンテンツ文化・産業論Ⅱ」第8回講義

Posted on 2013.11.22

今年で開設10年目を迎える音楽関連団体共同寄附講座「デジ
タル/コンテンツ文化・産業論」は、一般社団法人コンサー
トプロモーターズ協会、一般社団法人日本音楽出版社協会、
公益社団法人日本芸能実演家団体協議会・実演家著作隣接権
センターの3団体の寄附により運営が成り立つ講座で、音楽
評論家の反畑誠一客員教授のコーディネートによって、コン
テンツ産業界の最前線で活躍されている諸氏をゲスト講師と
して招聘するリレー形式の授業です。この科目では、デジタ
ル化とインターネットがもたらした文化・産業の構造変化を
多角的に現状分析・認識し、次世代の方向性を研究すること
を課題としており、コンテンツビジネスやエンタテインメン
トビジネスに関心を持つ定員400名の学生が受講しています。

11月15日(金)に行われた第8回講義では、本講座のコーディ
ネーターである立命館大学の反畑誠一客員教授により、中間
総括が行われました。

<反畑誠一先生>

ご講義ではまず、テレビなどで放送される楽曲の使用料を巡り、
一般社団法人日本音楽著作権協会の徴収方法が独占禁止法違反
にあたるかどうかが争われた訴訟の判決に関する新聞記事を解
説し、本講座の大きなテーマの一つである著作権に関わる最新
の情報を示すとともに、「情報を正しく認識し、問題点を究明
していく思考回路を持つこと」の大切さについて言及されました。


続いて、「Culture First 推進85団体」について紹介し、記者
会見「新たな補償制度創設に係わる提言について」の趣旨や会
見内容を詳しく解説されました。ほぼその機能を停止してしま
った現行の私的録音録画補償金制度の問題点と解決策について
説明し、私的複製に関係する「利用者」「複製手段を提供する
者」「権利者」の三者の利益のアンバランスを修正するため、
経済合理性を備えた補償制度を新たに創設することが必要であ
ることを示しました。この問題についてグローバルな視点で今
後も学習を深めて欲しいと伝え、学生は問題解決へ向けてどう
すればよいか真剣に考える機会となりました。


最後には、デジタルネットに関する最新の用語を解説すると
ともに、著作権法を整理してビジネス展開することの重要性や、
ネットを利用する側の「モラル」の大切さについて示し、講義
を締めくくりました。

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