今年で開設10年目を迎える音楽関連団体共同寄附講座「デジ
タル/コンテンツ文化・産業論」は、一般社団法人コンサー
トプロモーターズ協会、一般社団法人日本音楽出版社協会、
公益社団法人日本芸能実演家団体協議会・実演家著作隣接
権センターの3団体の寄附により運営が成り立つ講座で、
音楽評論家の反畑誠一客員教授のコーディネートによって、
コンテンツ産業界の最前線で活躍されている諸氏をゲスト
講師として招聘するリレー形式の授業です。この科目では、
デジタル化とインターネットがもたらした文化・産業の構
造変化を多角的に現状分析・認識し、次世代の方向性を研
究することを課題としており、コンテンツビジネスやエン
タテインメントビジネスに関心を持つ定員400名の学生が
受講しています。
12月6日(金)に行われた第11回講義では、株式会社テレビ
朝日編成制作局エグゼクティブプロデューサー兼事業局イ
ベント事業部、「ミュージックステーション」チーフプロ
デューサー、「タモリ倶楽部」プロデューサーとして、数
々のテレビ番組の企画・運営に携わる山本たかお氏をお招
きし、「ライブ時代のテレビ音楽番組の存在」をテーマに
講義が行われました。
<山本たかお氏 株式会社テレビ朝日 編成制作局
エグゼクティブプロデューサー>
講義ではまず、ミュージックステーションの裏側に密着し
た貴重な映像を上映され、大勢のスタッフの入念な準備に
よって出来上がる生放送番組制作の実態を紹介いただきま
した。生放送番組のこだわりやビジネス戦略、カット割り、
スケジュール、ブッキングのシステム等について詳しくお
話いただき、学生は音楽番組制作の奥の深さやその魅力を
実感した様子でした。
また、ネット時代の到来による視聴率の低下やパッケージ
売上の不振が危惧される中、ライブ事業が好調である音楽
産業の現状を示され、テレビ局も環境の変化に柔軟に対応
し、フェスの開催やライブハウスの設立等、独自のノウハ
ウを活かしたライブ事業を展開している実態をお話いただ
きました。番組とその他の事業を連動させた新たなビジネ
ス展開の重要性を示されるとともに、テレビ音楽番組や音
楽業界の活性化のためには、アーティストの育成が最も大
切であると言及されました。学生はネット時代、そしてラ
イブ時代における音楽産業のあり方と今後の可能性につい
て、新たな視点で見つめ直す機会となりました。
2013年度後期「デジタル/コンテンツ文化・産業論Ⅱ」第11回講義
Posted on 2013.12.24