現代ジャーナリズムの最前線を講義:ニューヨーク市立大学教授特別講演会開催

Posted on 2014.01.22

12月20日、立命館大学敬学館で、ニューヨーク市立大学
(CUNY)ジャーナリズム大学院のジェレミー・キャプラン
教育担当ディレクターが来日し、起業家マインドにそって
メディア・ジャーナリズムの活動を展開する「アントレプ
レニュアルジャーナリズム」についての講演会が、学部メ
ディア社会専攻企画のもと、関西アメリカンセンター、立
命館大学国際インスティテュート教学委員会との共催で行
われました。

<ジェレミー・キャプラン氏>

キャプラン氏は、『タイム』で長年記者をつとめた経験を
ベースに、現代社会で劇的に変容をとげるデジタル・ジャ
ーナリズムの未来について研究し、あわせてどのようにデ
ジタル・ジャーナリズムを実践してゆけばよいかを強く意
識させるジャーナリズム教育にも従事しています。
キャプラン氏は、米国のデジタル・ジャーナリズムの最前
線に焦点をあて、中でも「ソーシャルネット空間でのアン
トレプレナー・ジャーナリズムの可能性」について熱のこ
もった講演を行いました。
現在の米国では、オンラインニュースの無料提供やソーシ
ャルメディアを活用した市民参加型ジャーナリズムが発展
しており、他方、大手マス・マスメディア産業を久しく牽
引してきた新聞社が破綻し、廃刊に追い込まれるなど、い
わゆるオールドメディアが経営の危機に立たされています。

近い将来の2020年時点で、ジャーナリズムがどのようにあ
るべきか、将来に備えてどのような点に留意しておくべき
か、キャプラン氏は5つのポイントを上げました。それらは、
(1)情報を提示する際のデザインの重要性、(2)実験
的なジャーナリズムの営みを継続すること、(3)ジャー
ナリズム活動を維持・継続するための新たな収入源をみつ
けて、高い質の報道を行うこと、(4)キュレーションと
いう概念を用い、情報の収集や提示の仕方で工夫して人々
の興味関心を喚起する新たな取り組みの台頭、そして
(5)将来のジャーナリストとが備えるべき、マルチメデ
ィア対応の力と技術です。
キャプラン氏は、参加した学生たちに対し、若い世代の皆
さんは、失敗を恐れることなく最先端のメディア技術を活
用して、さまざまなジャーナリズムの実験的な試みに挑戦
して欲しい、と語りかけており、学生たちもこれに元気づ
けられたように、さまざまな質問をキャプラン氏に投げか
けていました。


文責:BEN

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