【スポーツ社会専攻 権ゼミ】台湾でフィールドワークを実施しました!

Posted on 2015.12.25

スポーツ社会専攻の権ゼミ4回生は10月9日から13日にかけ
て台湾でフィールドワークを行いました。台湾がかつて、
日本から植民地支配を受けていたことは誰もが知っている
ことですが、実際に台湾がどういった文化・歴史を持ち、
日本からどのような影響を受け、日本の統治から脱して以
後現在までどのような歴史を歩んできたかを知る機会は少
ないのではないでしょうか。そこで、今回のフィールドワ
ークは、今後の日台関係やアジアの平和と安全について深
く考えるために、実際に台湾の様々な場所に訪れ、様々な
視点から台湾の歴史や文化を正しく理解することを目的と
し、行いました。
1日目は台中市にある台中インターコンチネンタル野球場
で野球の国際大会である「プレミア12」の台湾対オランダ
の試合を観戦しました。日本の台湾に野球が伝えられたの
は1895年、日本による統治が始まった年に、日本人によっ
て伝播されたと言われています。また、台湾野球は日本人
化運動などの日本統治時代の政策に大きな影響を受けてお
り、台湾の歴史を考える上で重要な要素の一つと言えます。

2日目からは台北市に移動し、最終日まで台北を中心に様々
な場所を訪れました。

写真の建築物は、日本における台湾統治の中枢である「台
湾総督府」の庁舎です。ここに派遣された歴代の台湾総督
たちは、強大な権力を持ち、台湾を統治しました。現在で
も台湾の総統府として使用されているからか、警備は厳重
であり、台湾の人々にとって特別な場所であることが伺え
ました。



他にも、台湾国立博物館や中華民国(台湾)の初代総統で
ある蒋介石を顕彰した「中正記念堂」や、世界三大美術館
の一つである「国立故宮博物館」などを訪れ、台湾の歴史
や文化に触れることが出来ました。



今回訪れた場所の中でも特に印象的だったのが台北市の二
・二八和平公園内にある、「二・二八紀念館」です。これ
は、台湾で起こった「二・二八事件」という悲しい過去を
忘れないために建てられたものです。二・二八事件とは、
戦後日本統治から解放され祖国復帰を期待した台湾の人々
が、大陸から来た国民党政府の凄まじい腐敗に失望し、そ
の募った不満が爆発し、大きな混乱の時代に入るきっかけ
となった事件の事を指します。二・二八紀念館の見学に通
して参加者の亀田さんは、「今までは、終戦後に台湾で何
が起こったかについて知る機会というのはほとんどなく、
この紀念館で見聞きしたことはとても衝撃的で、現在も続
く台湾と中国間の国家承認問題(二重承認問題)を考える
きっかけとなりました。」と感想を述べてくれたことから
も、この経験が学生にとって有意義なものになったことが
伺えました。

今回のフィールドワークを通して、「中国」ではなく、
「台湾」としての歴史を実際に見聞きし、知ることが出来
ました。また、日本が過去にどのようなことをしてきたの
かは日本人として知っておくべきであるということも再確
認でき、貴重な経験をすることが出来たと思います。


文責:スポーツ社会専攻 4回生 田渕伸也



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